ランキング上位は専門性の高い職業ばかりだが…資格なしに「稼げる職業」はあるのか?
さてランキングトップの医師について、厚生労働省『第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)』でもう少し深堀してみましょう。同調査は、病院や一般診療所、歯科診療所、保険薬局における医業経営などの実態を明らかにし、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的としたもの。一般病院について、形態別の平均給与(常勤)を確認することができます。
医師に注目すると、病院の形態によりますが、おおむね1,300万〜1,500万円というのが平均値。法人よりも個人経営の病院のほうが給与は高い傾向にあります
【一般病院形態別「医師の平均年収」】
■国立病院
病院長:18,762,235円
医師:13,239,799円
歯科医師:11,888,368円
■公立病院
病院長:21,535,517円
医師:14,726,005円
歯科医師:12,900,582円
■公的病院
病院長: 22,412,669円
医師:13,841,103円
歯科医師:13,008,925円
■社会保険関係法人
病院長:19,626,330円
医師:14,276,248円
歯科医師:15,768,841
■医療法人
病院長:31,100,957円
医師:15,062,173円
歯科医師:9,854,787円
■個人
医師:17,045,012円
歯科医師:9,666,267円
コロナ禍という特殊な事情から、職種別の年収ランキングではトップになった医師。「よし、医師に転職して高収入を目指すぞ!」というのは、かなりのハードル。ただランキング上位には専門性を高めたうえでキャリアチェンジを実現できる職種もありますし、特別な資格を必要としない職種も(もちろんスキルなどシビアに評価されますが)。たとえば成長産業であるIT業界、ランキング9位の「システムコンサルタント」は民間の資格はありますが必須ではありません。ランキングも参考にしながら、これからのキャリアを考えるのも、ひとつの選択肢です。