厚生労働省によると、男性正社員の5割、女性正社員の6割が転職経験者。いまや転職でキャリアアップ&給与アップを目指すのは当たり前ですが、できることなら、給与のよい職種にチェンジしたい、と考える人も少なくありません。そこで職種別の平均年収をチェックしてみましょう。
職種別「年収ランキング」…会社員「平均490万円」の3倍稼げる職業は? (※写真はイメージです/PIXTA)

ランキング上位は専門性の高い職業ばかりだが…資格なしに「稼げる職業」はあるのか?

さてランキングトップの医師について、厚生労働省『第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)』でもう少し深堀してみましょう。同調査は、病院や一般診療所、歯科診療所、保険薬局における医業経営などの実態を明らかにし、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的としたもの。一般病院について、形態別の平均給与(常勤)を確認することができます。

 

医師に注目すると、病院の形態によりますが、おおむね1,300万〜1,500万円というのが平均値。法人よりも個人経営の病院のほうが給与は高い傾向にあります

 

【一般病院形態別「医師の平均年収」】

■国立病院

病院長:18,762,235円

医師:13,239,799円

歯科医師:11,888,368円

 

■公立病院

病院長:21,535,517円

医師:14,726,005円

歯科医師:12,900,582円

 

■公的病院

病院長: 22,412,669円

医師:13,841,103円

歯科医師:13,008,925円

 

■社会保険関係法人

病院長:19,626,330円

医師:14,276,248円

歯科医師:15,768,841

 

■医療法人

病院長:31,100,957円

医師:15,062,173円

歯科医師:9,854,787円

 

■個人

医師:17,045,012円

歯科医師:9,666,267円

 

コロナ禍という特殊な事情から、職種別の年収ランキングではトップになった医師。「よし、医師に転職して高収入を目指すぞ!」というのは、かなりのハードル。ただランキング上位には専門性を高めたうえでキャリアチェンジを実現できる職種もありますし、特別な資格を必要としない職種も(もちろんスキルなどシビアに評価されますが)。たとえば成長産業であるIT業界、ランキング9位の「システムコンサルタント」は民間の資格はありますが必須ではありません。ランキングも参考にしながら、これからのキャリアを考えるのも、ひとつの選択肢です。