インフレでさまざまな物の価格が上がるなか、新米の価格が下がっているのは興味深い。 農林水産省の「米に関するマンスリーレポート(令和4年8月号)」によると、お米の相対取引価格は、年度平均価格、対前年同月比で平均88%となっている。また、同レポートを読み解くと、日本におけるお米の需要は減少傾向にあることがわかる。せっかく安くなっている新米、ぜひ美味しく食べたいものだ。台湾料理研究家・小河知惠子氏の著作『現地発・台湾ルーローハンとお米料理』(春陽堂書店)より、新米に最適なレシピを紹介する。 

台湾の魯肉飯(ルーローハン)は多種多様

『現地発・台湾ルーローハンとお米料理』(春陽堂書店)の著者である台湾料理研究家の小河知惠子氏によると、現地のルーローハンは日本人が思うよりも多種多様だという。 

 

「台湾では、魯肉飯といえばどこの食堂にも必ずあるメニューです。そしてそれぞれに特徴があります。よく目にするもので言えば、干し椎茸が入ったもの、肉や魚のでんぶと合わせたもの、きゅうりのお漬物と一緒に煮込んだものなど。お肉さえ使わないベジタリアン魯肉飯も一般的です」

 

今回はその中でも特に日本人の口に合うという「干し椎茸入り魯肉飯」のレシピを、書籍から抜粋する。

 

「干し椎茸の香りと旨味が口いっぱいに広がる魯肉飯です。お肉も豚肩ロース肉を使い、さっぱりと仕上げたので、新米にもよく合うと思います」(小河氏)

干し椎茸入りルーローハン(香菇魯肉飯)

材料(作りやすい分量)

 

豚肩ロースかたまり肉…300g

 

干し椎茸…15g

 

ニンニク(みじん切り)…5g

 

玉ねぎ(みじん切り)…70g

 

サラダ油…大さじ1.5

 

米焼酎(もしくは酒)…大さじ4

 

豚肩ロースの茹で汁+干し椎茸の戻し汁…合わせて2カップ

 

A生姜(皮をつけたまま薄切り)…2枚(約5g)

 

A醤油…大さじ4

 

Aグラニュー糖…大さじ1と小さじ1    

 

A五香粉…小さじ1/4

 

A白胡椒…小さじ1/4

 

漬物(お好みで)

 

作り方 

 

① 干し椎茸は水で戻し、軸を取って、2〜3mm幅くらいの細切りにする。

 

② 豚肩ロースかたまり肉にいくつか切れ目を入れ、たっぷりのお湯で10分間茹でる(茹で汁は捨てない)。

 

③ 茹でた豚肩ロース肉を水で洗って粗熱を取り、水気を取って7mm角の賽の目に切る。

 

④ フライパンにサラダ油を弱火で熱し、ニンニクを炒める。香りが立ったら、玉ねぎを加えて透き通るまで炒める 。

 

⑤ ④に①を加えて香りが立つまで炒め、③を入れて強火で炒める。米焼酎を加えてアルコールを飛ばし、片栗粉を加えて軽く炒め合わせる。

 

⑥ ⑤を土鍋に移し、肩ロースの茹で汁と干し椎茸の戻し汁、Aを入れて沸騰させる。蓋をして弱火で1時間半、水分が半分になるまで煮込む。

 

⑦ 汁ごとごはんにかけ、お好みで漬物や台湾煮たまごを添える。

 

 

「台湾で食べられているお米は、日本と同じジャポニカ米です。それに合うような料理が魯肉飯ですから、日本人の口に合うのも納得ですよね」(小河氏)

 

日本の今年の夏は暑く、台湾の気温に差し迫るものがあった。気候も手伝い、新米シーズンは台湾魯肉飯がさらに美味しく感じるのではないか。

現地発・台湾ルーローハンとお米料理

現地発・台湾ルーローハンとお米料理

小河 知惠子

春陽堂書店

日本で人気の台湾料理。日本ではなかなか出会わないような食材の組み合わせや、調味料の使い方をしているのが楽しい台湾レシピが満載です。 台湾料理と食文化に魅せられ移住した料理研究家・小河知惠子による、コラムも楽しい…

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