台湾の魯肉飯(ルーローハン)は多種多様
『現地発・台湾ルーローハンとお米料理』(春陽堂書店)の著者である台湾料理研究家の小河知惠子氏によると、現地のルーローハンは日本人が思うよりも多種多様だという。
「台湾では、魯肉飯といえばどこの食堂にも必ずあるメニューです。そしてそれぞれに特徴があります。よく目にするもので言えば、干し椎茸が入ったもの、肉や魚のでんぶと合わせたもの、きゅうりのお漬物と一緒に煮込んだものなど。お肉さえ使わないベジタリアン魯肉飯も一般的です」
今回はその中でも特に日本人の口に合うという「干し椎茸入り魯肉飯」のレシピを、書籍から抜粋する。
「干し椎茸の香りと旨味が口いっぱいに広がる魯肉飯です。お肉も豚肩ロース肉を使い、さっぱりと仕上げたので、新米にもよく合うと思います」(小河氏)
干し椎茸入りルーローハン(香菇魯肉飯)
材料(作りやすい分量)
豚肩ロースかたまり肉…300g
干し椎茸…15g
ニンニク(みじん切り)…5g
玉ねぎ(みじん切り)…70g
サラダ油…大さじ1.5
米焼酎(もしくは酒)…大さじ4
豚肩ロースの茹で汁+干し椎茸の戻し汁…合わせて2カップ
A生姜(皮をつけたまま薄切り)…2枚(約5g)
A醤油…大さじ4
Aグラニュー糖…大さじ1と小さじ1
A五香粉…小さじ1/4
A白胡椒…小さじ1/4
漬物(お好みで)
作り方
① 干し椎茸は水で戻し、軸を取って、2〜3mm幅くらいの細切りにする。
② 豚肩ロースかたまり肉にいくつか切れ目を入れ、たっぷりのお湯で10分間茹でる(茹で汁は捨てない)。
③ 茹でた豚肩ロース肉を水で洗って粗熱を取り、水気を取って7mm角の賽の目に切る。
④ フライパンにサラダ油を弱火で熱し、ニンニクを炒める。香りが立ったら、玉ねぎを加えて透き通るまで炒める 。
⑤ ④に①を加えて香りが立つまで炒め、③を入れて強火で炒める。米焼酎を加えてアルコールを飛ばし、片栗粉を加えて軽く炒め合わせる。
⑥ ⑤を土鍋に移し、肩ロースの茹で汁と干し椎茸の戻し汁、Aを入れて沸騰させる。蓋をして弱火で1時間半、水分が半分になるまで煮込む。
⑦ 汁ごとごはんにかけ、お好みで漬物や台湾煮たまごを添える。
「台湾で食べられているお米は、日本と同じジャポニカ米です。それに合うような料理が魯肉飯ですから、日本人の口に合うのも納得ですよね」(小河氏)
日本の今年の夏は暑く、台湾の気温に差し迫るものがあった。気候も手伝い、新米シーズンは台湾魯肉飯がさらに美味しく感じるのではないか。