船舶と航空機市場、「コロナ禍以降の相違点と共通点」を最新データをもとに比較・分析【8月レポート】 (画像はイメージです/PIXTA)

航空機及び船舶のデータをオンラインで提供する英国の評価会社VV Aviation (VesselsValueブランド)が、航空と海運の資産タイプにおける類似点と相違点を比較した2022年8月最新情報を、同社の調査データに基づき分析、解説する。

はじめに

今回、VV AviationがVesselsValueの新ブランドとしてリリースされたことを受け、過去の船舶と航空機に関する比較記事を再確認し、2つの資産タイプの類似点と相違点にもう一度焦点を当てる。

 

まず、最も一般的なバルク船の1つ(ケープサイズ)と、最も一般的な民間旅客機の1つ(777-300 ER)、そして最も主要な船舶であるハンディコンテナ船とA320-200航空機について2020年1月以降の価値の推移を比較する。

 

次に、船舶と航空機の地理的な運用制限、整備点検、位置追跡の共通点と相違点についてコメントする。

資産の評価:2020年1月以降に起きた出来事

前回、類似点と相違点の記事を公開した際、いくつかの比較可能な資産を抜き出し、その価値と価値の変化を示した。今回は、コロナ禍の間に何が起きたのか、現状を分析する。

 

次の図は、船齢と航空機齢を5年に固定して、過去3年間の1月から6月までの船舶と航空機の標準価格を比較している。

 

図1:2020年1月1日から2022年6月1日までのケープサイズとワイドボディ機の価値変動
図1:2020年1月1日から2022年6月1日までのケープサイズとワイドボディ機の標準価格変動
 

2020年1月1日から2022年6月1日の間に、船齢5年のケープサイズバルカーの標準価格はこの2年半で53.7%増加し、機齢5年のボーイング777の標準価格は6.5%減少した。

 

     2020年、2021年、2022年1~6月の標準価格の推移

図3:2020年1月1日から2022年6月1日までのハンディコンテナおよびナローボディ機の価値変化
図2:2020年1月1日から2022年6月1日までのケープサイズとワイドボディ機の標準価格変化

一方、下図が示すように、船齢5年のハンディコンテナの標準価格は152.8%増加し、機齢5年エアバスA320の標準価格は同期間に2.4%減少している。

 

図3:2020年1月1日から2022年6月1日までのハンディコンテナおよびナローボディ機の価値変化
図3:2020年1月1日から2022年6月1日までのハンディコンテナとナローボディ機の標準価格変動
 

     2020年、2021年、2022年1~6月の標準価格の推移 

図4:2020年1月1日から2022年6月1日までのハンディコンテナとナローボディ機の金額推移
図4:2020年1月1日から2022年6月1日までのハンディコンテナとナローボディ機の標準価格変化

共通点・相違点に関する分析

地理的な運用制限

明らかな違いは、運用環境だ。一方は海に、もう一方は空に縛られている。他にも多くの考慮点や比較点があるが、資産タイプは予想以上に類似している。

 

海運の場合、水深、運河、航路の幅、領土など、運航に関わる制約がある。しかし、航空はFIR(Flight Operation Region)と呼ばれる空を管理する当局に縛られるだけである。 

 

当たり前かもしれないが、船の大きさで運航が制限されるように、航空機の大きさにも制限がある。たとえば、一部の航空機は、大きさの範囲や、緊急着陸可能な距離によって、一部のルートを飛行できないときもある。 

 

もうひとつ興味深いのは、接岸や着陸だ。港や空港によっては、許容範囲に制限がある。滑走路の長さが足りないと飛行機が着陸できないのと同じように、船が港に入ることで座礁してしまうようでは困る。海底地形によって、船が入れる場所と入れない場所が決まっているのだ。

 

時には、許可を受けている場合でも制限のある場合でも、どちらも問題に見舞われることがある。潮流が海運に大きな影響を与えることもあれば、上空40,000フィートの風速があれば、航空機の発着時刻を正確にするための主要な要因となる。

 

また、2021年、エヴァーギヴン(ゴールデンクラスの世界最大級のコンテナ船)がスエズ運河を塞ぎ、350隻以上の船の航路が妨害され、約100億米ドルの貿易損失を出したように、風が海運に大きな影響を与えることもある。

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    VV Aviation

    航空機及び船舶のデータをオンラインで提供する英国の評価会社 (VesselsValueブランド)。リアルタイムの市場情報に迅速かつ明確にアクセスし、市場の透明化を図る。自動評価モデル(AVM)手法は、2009年の創業以来、継続的に開発・最適化されてきた高度な独自アルゴリズムを利用している。AVMは、資産仕様、取引、市場センチメント指標など数千のデータポイントを使用し、日々変化する市場環境に最適に適合するように再較正を行う。このモデルにより、流動性の高い市場における評価の作成も可能としている。

    HP:https://www.vesselsvalue.com/jp/

    問い合わせ先:info@vvaviation.com

    著者紹介

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    本記事の目的は一般的な情報を提供することであり、特定の状況に関連したアドバイスやガイダンスを提供することではありません。

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