団塊ジュニアの下の世代「ポスト団塊ジュニア」…やりたいことをやる!の末路
就職氷河期前半の人たちは、団塊ジュニアと呼ばれる人たちで、第1次ベビーブームで誕生した団塊の世代の二世。1971年から1974年に生まれた人たちで、2022年に47歳から51歳になる人たちです。そして本当に就職活動が厳しかった2000年から2003年の大卒である、40代前半の人たちを、団塊ジュニアの下の世代ということで「ポスト団塊ジュニア」と呼ぶことがあります。
希望の職がなく、諦めて希望でもない仕事に就く人が多かった一方で、「したくない仕事をするなんて性に合わない。やりたいことをやる!」と、あえてパートやアルバイトを選択した人も多くいました。社会に期待するのをやめ、自分を高めることを優先したのです。そのため、パートやアルバイトをしながら資格取得を目指す人も多かった世代です。
厳しい時代だったため極端に安定志向の人もいれば、極端に意識が高い人も。あえて非正規を選んだとしても、自分を磨き、自分の力だけでのし上がった……多かれ少なかれ、そのような経験を持つ人が多いからでしょう。冒頭のように会社では少々うざがられたり、面倒くさいと思われる人が多いのも、この世代の特徴といわれています。
ただ上を目指そうとして、実現できた人はひと握り。努力すれば報われるというほど、社会は甘いものではありません。「いずれ、景気はよくなる」と期待し、あえて非正規社員として社会人人生をスタートしたものの、雇用環境が良くなったころにはマネージメント経験が問われる年齢に。どうしてもキャリア的に見劣りするため、非正規雇用から抜け出せず、今日に至る、というパターンが実に多いのです。
厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、男性・40代前半・正社員の平均月収は44万6,200円、手取りにすると33万~34万円、推定年収は684万4,800円になります。一方で男性・40代前半の非正規社員だと、月収は25万6,100円、手取りにすると20万円、推定年収は322万5,300円。正社員になれた/正社員になれなかったで、手取りでは8~9万円、ダブルスコアを上回る年収差が生じているのです。
「いつかは自分も」と成功を夢見つつも、40代になり現実がみえてきたころでしょうか。「もうやっていられない」と匙を投げる人が続出。しかし、時すでに遅く、「キャリアのない40代」は扱いにくく、人材市場でも敬遠されがち。「したくない仕事をするくらいなら……」と、あえて非正規社員を選んだことが、悔やんでも悔やみきれない後悔となっています。