昨今、緊急課題のひとつとしてあげられることの多い「氷河期世代の支援」。ただ就職氷河期といっても、その期間は10年以上にもなるので、当事者でも事情は異なります。特に情勢の厳しかった後半の世代は、後悔も大きいようです。みていきましょう。
手取り20万円…氷河期ど真ん中「ポスト団塊ジュニア」が後悔する、人生最大の過ち (※写真はイメージです/PIXTA)

大学卒業しても…「就職氷河期」でも特に「2000年代前半」は悲惨だった

最近はコロナ禍で耳にしなくなりましたが、会社員の宴席でよく繰り広げられるのが、世代間ギャップの話。だいたい「お前らの時代はいいよなー」などと、先輩が後輩に絡み酒してくるのが、ひとつのパターンでした。そして絡んでくる先輩は40代の中堅社員というのがお決まりです。

 

――おれらの頃は就職先がなくってさあ

 

だいたい、そんな文句が繰り返されるわけですが、無理はありません。本当に就職氷河期といわれる時代は、いまでは考えられないほど、就職活動は困難を極めたのですから。

 

就職氷河期の世代は、1993年〜2004年に学校卒業期を迎えた世代。高卒であれば、1975年から1986年に生まれ、2022年時点で36〜47歳になる人たち。大卒(ストレートで大学に入り、4年で卒業した場合)であれば、1971年から1982年に生まれ、2022年時点で40〜51歳になる人たち。どちらにせよ、いまの40代はどの年齢を切り取っても「就職が厳しかった」が口癖なわけです。

 

学校卒業時、有効求人倍率は1を上回ることなく、大学卒業者であっても、1万人以上が「一時的な仕事」、つまりパートやアルバイトに就きました。特に2000年~2003年にかけてはその数は2万人を超え、大学就職内定率も91~92%と、非常に厳しい状況だったのです。

 

【「一時的な仕事に就いた者」、「大学就職内定率」の推移】

1997年:10,738人/94.5%

1998年:11,957人/93.3%

1999年:16,023人/92.0%

2000年:22,633人/91.1%

2001年:21,514人/91.9%

2002年:23,205人/92.1%

2003年:25,255人/92.8%

2004年:12,412人/93.1%

2005年:12,061人/93.5%

2006年:12,039人/95.3%

 

出所:文部科科学省『文部科学統計要覧・文部統計要覧』、厚生労働省資料より

※数値左:大学卒業者のうち一時的な仕事に就いた者の数、右:大学就職内定率

 

就職氷河期といっても10年以上にも及び、特に2000年代に入ってからの数年は本当に酷い状況でした。そのため、ひと口に就職氷河期といっても前半と後半では厳しさが異なり、その洗礼を受けた氷河期後半の人たちのなかには、「(就職氷河期の)前半の人たちとは厳しさが違う、同じに考えてもらっちゃ困る」などと、変なプライドをもった人たちもいます。