つい甘いものを食べちゃう…は栄養不足のサイン!? ムシ歯だけでは済まされない、砂糖の甘すぎる罠【歯科医師が解説】

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つい甘いものを食べちゃう…は栄養不足のサイン!? ムシ歯だけでは済まされない、砂糖の甘すぎる罠【歯科医師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

甘いものがやめられないのは、なぜなのでしょうか? 吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック代表・吉田格氏が解説します。

午後3時過ぎに眠くなる、イライラする…は低血糖かも

先日、研修のため9人の歯科医師に採血とその検査データー解析の実習をしたときのことです。

 

全員が同じ時間に同じお弁当を食べ、その3時間後に採血をしたのですが、するとほぼ全員が65mg/dl以下の低血糖状態になっていて驚きました。砂糖に限らず、白米など精製された炭水化物も、食後急峻高血糖の材料となってしまうのです。

 

低血糖はだいたい食後2~3時間後、昼食後であれば午後3時過ぎに発生します。この時間帯に急に眠くなることはありませんか? あるいは、ついイライラしてしまうことはないでしょうか? これは消化のために胃腸に血流が集中して脳血流が低下していることもありますが、それよりも低血糖のほうが疑わしいのです。

 

昼食がパスタなどの炭水化物中心で、一緒にオレンジジュースでも飲めば、前述のような血糖値の乱高下がおきていることは十分予想されます。

 

男性も女性も午後の会議が眠くてしょうがないという方は多いと思いますが、試しに昼食からごはんや麺類を抜いてみてください。パフォーマンスが改善するようであれば、原因は血糖値の乱高下です。

 

現代食は血糖値の安定化がとても難しいものが多いことがわかると思います。

夜間低血糖とハギシリ

血糖値の乱高下は、内科に依頼して「ブドウ糖負荷試験」というもので診断してもらうことができます。ただし低血糖は食後2時間以後に現れるので、高血糖を調べるための2時間検査では発見できません。そこでこれを5時間まで延長するのですが、時間的にけっこう大変です。

 

そこで私は簡易型の持続血糖測定器をおすすめしています。これは二の腕に専用のセンサーを貼り付け(写真1)、スマートフォンで2週間分の数値を読み取るというもので、¥8,000ほどと安価です。

 

[写真1]持続血糖測定器のセンサーを装着した状態

 

本当は血糖値ではなく、筋肉中の間質液というものを測定対象にしているので、数値は正確ではありません。しかし何を食べたら急に上がるのか、就寝中や運動時はどうなのか、傾向を知ることはできます。

 

すると夜間から早朝にかけて、かなり低血糖になっている人が多いことがわかります。その一例が写真2の赤い部分です。

 

[写真2]夜間から早朝にかけて低血糖になっている

 

早朝はコルチゾールというホルモンが副腎というところから分泌され、これも血糖値を上げる作用があります。ところがこの方は、それがうまく機能していないようです。

 

実はコルチゾールはストレスに抵抗するためのホルモンでもあります。しかしストレスフルな生活をしていると、脳からの命令系統(HPA軸と言います)がうまく働かず、コルチゾールも出づらくなります。これが俗にいう「副腎疲労」という状態で、そのため就寝中にも関わらずアドレナリンが出てしまう人もいます。

 

寝ているのに緊張状態になるわけですから、寝汗をかいたりハギシリをしているかもしれません。写真3は歯を守るために夜間装着してもらっていたマウスピースですが、たった1週間でハギシリによる派手な傷を刻んできました。

 

[写真3]ハギシリで傷ついたマウスピース

 

そしてこの方の早朝空腹時採血をすると、朝食を摂っていないにも関わらず、インスリンが高値でした。すなわちアドレナリンによる高血糖が起きていたと予想されるのです。このような例は決して珍しくなく、かなりの人が寝ているのに緊張状態になっていると考えています。

 

将来的にはスマートウォッチだけで血糖値が測れる時代が来ると思われますので、高血糖だけでなく低血糖の実態も明るみになるでしょう。

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。