甘いものがないと死んじゃう!?
甘いものがなくては生きて行けない、死んじゃう…。
冗談で「死ぬ」という言葉をよく使うのが現代人。しかしこの場合、大袈裟ではなく本当にそう思っている人が多い、特に若い女子! そう、あなたの周りにもたくさんいるのではないでしょうか。
歯科医院では歯科衛生士がムシ歯予防のために、砂糖を控えるよう患者さんに説明します。しかし多くの場合すかさず「ムリ!」と返されます。
ところがその歯科衛生士も実は甘いものを手放せない…これでは説得力ゼロ! そもそも親身になれません。女性歯科医師も仕事だから仕方なく「甘いものは控えま…」と、語尾がフェードアウト気味。これが歯科医院アルアルなのです。
もちろんこれは女性に限った話ではないし、とりわけ女性にムシ歯が多いわけでもありません。しかし無意識に甘味に手を出す女性は多いもの。実はこれ、理論的に説明することができるのです。
ムシ歯だけでは済まされない、砂糖の甘すぎる罠と、その背景について書いてみます。
砂糖は、エネルギー源となる“三大栄養素”の一つだが…
皆さんは小学校の家庭科の授業で、三大栄養素というのを習いませんでしたか? 脂質・タンパク質、そして糖質ですよね。そして砂糖は糖質の一種でした。これらはみな、体のエネルギー源として利用できるという意味で使われ始めたそうです。
このうちタンパク質はエネルギー源になるにはなるのですが、他に大切な役割があるので、あまりそれに使いたくありません。
脂質はアブラですから、実はこちらを優先してエネルギーとして使ってもらいたいものです。ところが脂質をエネルギーにするには、そこそこ複雑な化学反応を経なくてはなりません。このとき中心的な働きをするのがミトコンドリアです。ミトコンドリアは赤血球を除くすべての細胞にある、強力なエネルギー産生基地で、三大栄養素はすべてここでエネルギーを産生します。
ところが、この化学反応がどうもうまく行ってない人が多いらしいことがわかってきました。
原因の一つが「鉄」の欠乏です。