高齢者と同じように年金を受給できるとは限りません。2021年の年金額は、前年に対して0.1%の引き下げが発表されました。0.1%とはいえ引き下げられたのは4年ぶりで、今後この流れが加速するのではないかと不安を感じる人が多くなるのは必然でしょう。受給する人が増える一方で払い込む人は減るため、現在20代、30代といった若い世代の人たちにとって年金は決してアテにできるものではなく、むしろ破綻してもおかしくないものに映っていることでしょう。不安を解消する方法のひとつとして、不動産投資についてみていきましょう。
都内・2,500万円・家賃10万円のワンルームマンションに投資したら【シミュレーション】

会社員の年金受給額の目安

会社員として勤めている方は、将来どれくらいの年金を受け取ることができるのでしょうか。細かい金額になると人によってさまざまなので、ここでは年金受給額の標準的な金額を把握しておいていただきたいと思います。

 

平均的な年収のサラリーマンの場合

サラリーマンは厚生年金に加入しているので、厚生年金保険の平均的な受給額を見てみましょう。厚生労働省が発表している「厚生年金保険・国民年金事業の概況」の令和2年度版を見ると、受給している年金の月額平均は14万6,145円です。

 

5年前からの推移を見ると14万円台を維持しているものの、平成28年度は14万7,927円なのでそこから比べると1,782円の減額となっています。

 

サラリーマンとして現役世代を過ごした方々は、おおむね1人あたり14万円台の年金を受給することになるとイメージしておくと目安になると思います。

 

高所得サラリーマンの場合

公的年金には、国民年金と厚生年金の2種類があります。国民年金は20歳以上60歳未満のすべての人が加入する年金のことで、自営業者や農業を営んでいる人などは国民年金に加入することになります。

 

もう1つの厚生年金は会社員や公務員など給与所得者が加入する年金のことで、サラリーマンは国民年金と厚生年金の2つに加入しています。国民年金はすべての人が対象なので1階部分と呼ばれ、厚生年金は条件を満たしている人だけが加入するので2階部分と呼ばれています。

 

サラリーマンとして働いてきた人は1階と2階の両方に加入しているので、老後は両方を合わせた金額を受給することができます。

 

1階部分の国民年金の金額は変わりませんが、2階部分は現役世代に受け取っていた収入額によって払い込む年金額が変動するため、それに応じて老後の受給額も変動します。簡単にいうと現役世代の収入が高かった人は老後に受け取る年金額も高くなります。

 

たとえば、現役世代に年収1,000万円だった人が老後に受け取ることができる年金額は、約19万2,000円です。先ほど紹介した平均値よりは高い金額ですが、現役世代の収入格差ほど老後の年金受給額には差がないことにお気づきではないかと思います。

 

サラリーマンとして高い収入を得ていた人であっても、老後に受け取る年金は平均値よりも5万円程度多いだけというのも、ひとつの事実として知っておいてください。