数千万円、もしくは億単位の資金が必要となる不動産投資は、銀行など金融機関から資金を調達しなければ始まりません。融資を受ける際に、必ず行われるのが審査です。この審査において、金融機関は何を基準にどこを重視して融資の可否を判断しているのでしょうか。みていきましょう。
銀行は何を見ているのか?「不動産投資ローンの融資審査」チェックポイント、4つ

不動産投資ローンとは?

不動産投資向けの銀行融資、不動産投資ローンを攻略するには、その概要をしっかりと理解しておく必要があります。最初に不動産投資ローンとはいったいどんなローン商品なのかをマスターしておきましょう。

 

住宅ローンとの違い

住宅ローンと不動産投資ローンは、同じく不動産を購入するためのローンではありますが、目的が大きく異なります。住宅ローンはローンの借り入れをした人が自分で住むための不動産を購入するために利用するもので、もう一方の不動産投資ローンでは自分が住むためではなく賃貸経営事業のための不動産の購入費用に充当します。

 

より多くの人がマイホームを購入できるよう、住宅ローンの金利は低めに設定されています。その一方で、不動産投資ローンは事業性のローンなので特に住宅ローンほど金利が低いということはありません。

 

この金利差に着目し、以前には不動産投資に住宅ローンの利用をアドバイスしていた不正が発覚 したこともありました。事業目的で住宅ローンを利用したことが発覚すると融資金の全額返済を求められるなどのペナルティがある ため、不動産投資のための資金調達には不動産投資ローンを利用するのが鉄則です。

 

不動産投資ローンの種類

不動産投資ローンには、いくつかの種類があります。ここでは特に融資を実行する銀行側の役割によって、大きく2つの分類について解説します。

 

1つはアパートローン、もう1つはプロパーローンです。実際に銀行から融資を引く場合はこのどちらかになるので、両者の違いも含めて理解しておきましょう。

 

■アパートローン

アパートローンは、投資目的でマンションやアパートなどの不動産を購入するために利用できるローンです。「アパートローン」という名称なのでアパートの購入に特化しているように見えるかもしれませんが、投資用マンションの購入にも利用できます。

 

アパートローンの最大の特徴は、保証会社の存在です。銀行融資なので資金を出すのは銀行なのですが、銀行だけがリスクを取るのではなく保証会社を付けることでリスクヘッジをします。

アパートローン向けに保証を提供している専門の保証会社 があるので、そこに保証料を支払うことによって銀行はリスクを減らしながら融資を実行できるのです。

 

■プロパーローン

不動産投資向けの銀行融資には、プロパーローンもあります。先ほど解説したアパートローンとの大きな違いは、保証会社が入らない点です。銀行自らがリスクを取って融資を実行するのがプロパーローンです。

 

保証会社を付ける必要がないので保証料は発生しませんが、銀行としても融資の安全性を高めるために連帯保証人を求められるケースが多く、審査もより厳しくなります。