ヤフーとソニー不動産が、売り手と買い手をダイレクトに結びつけるサービス「おうちダイレクト」を開始しました。今回は、このサービスの内容について見ていきます。本連載は、株式会社ハウジングサクセスの代表取締役・金子徳公氏の書籍『我が家を売る時も買う時も絶対に損しない方法』(現代書林)の中から一部を抜粋し、不動産業界の衝撃の裏側をご紹介します。

ヤフーとソニー不動産が開始したネット仲介サービス

2016年からポータルサイトのyahoo!で、不動産関係者をあっと言わせたサービスがはじまりました。「おうちダイレクト」というサービスがそれ。

 

ヤフーとソニー不動産が組んで、売りたい人と買いたい人をダイレクトに結びつけるというものです。登録も検索もネット上でできるのが利点。不動産を売りたい人は自分で値段をつけて、その不動産の情報をヤフー不動産のサイトに自分でアップして、買いたい人を待ちます。掲載料は無料です。買いたい人はネットを介して売り主とコンタクトが取れます。

 

売りたい人と買いたい人のマッチングが決まったら、そこからはソニー不動産が仲介して取引が開始されます。

特定の不動産会社との契約が義務付けられている!?

一見、とても手軽で便利そうですが、これが実は「囲い込み」ではないかと、業界では大きな波紋を呼んでいます。というのも、「おうちダイレクト」の利用規約には以下のようなものがあるからです。

 

●売却希望物件に関し、指定仲介会社以外の者と売却希望物件の売却に係る媒介契約を締結していないこと

●本サービス以外のサービスにおいて、売却希望物件の売却のための一切の活動を行っていないこと

 

おうちダイレクトを利用する人は、ソニー不動産と契約を結ぶことが義務付けられているのです。そして「おうちダイレクト」以外では売却活動ができません。

 

そしてこの情報はレインズには載りません。レインズへの登録は任意だから掲載しないそうです。ということは、ほかの不動産会社はこの情報を共有できないのです。これを「囲い込み」と言い切ってしまうのは早計かもしれませんが、きわめて「グレー」に近いと筆者は思います。

 

これには大手業界団体も「不動産情報サイトの中立性を損ねる」として反発しています。私の正直な感想は、「今まで囲い込みをやってきた人たちが集まって、『あれはおかしい』と言っているのだから、よほどのことなのだろうな」というもの。とはいえ、このサービスはまだはじまったばかり。今後の成り行きを注視したいと思っています。

本連載は、2016年7月18日刊行の書籍『我が家を売る時も買う時も絶対に損しない方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

我が家を売る時も買う時も 絶対損しない方法

我が家を売る時も買う時も 絶対損しない方法

金子 徳公

現代書林

残念ながら今の不動産業界は「ウソ」や「ごまかし」が横行しています。目先の売り上げしか考えておらず、お客様に顔が向いていない営業マンがたくさん存在するのです。何故そうなるのでしょうか? それは、「不動産業界にはリ…

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