多くの人が「投資=ギャンブル」だと考えていると思います。しかし、投資とギャンブルはまったく違います。今さら聞けない投資とギャンブルの違いは何でしょうか。ファイナンシャル・プランナーの渡邊一慶氏が著書『定期預金しか知りませんが、私、本当にお金持ちになれるんですか?』(秀和システム)で解説します。
投資とギャンブルは何が違うの?今さら聞けない「投資」の意味

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投資にあって、ギャンブルにない「成長性」

■投資は社会を発展させる原資にもなる

 

渡邊 投資とギャンブルには、もう一つ大きな違いがあります。それは「成長性」です。投資には成長性があり、ギャンブルには成長性がないんです!

 

――成長性? それ、どういうことですか?

 

渡邊 まず、投資の成長性から説明しますね。たとえば、丑久保さんが、新しいビジネスのアイデアを思いついて起業をしようとした場合、まず必要になるのは資金です。もしお金が足りなかったらどうしますか?

 

――銀行に行ってお金を借ります。

 

渡邊 そうですよね。では、銀行がお金を貸してくれなかったらどうしますか?

 

――うーん、家族や親戚の人にお願いしてみようかな……。

 

渡邊 それも断られたり、それでは足りなかったりしたらどうしますか?

 

――もう起業をあきらめるしかなさそうです。

 

渡邊 そうなってしまいますよね。そこで、投資家の登場です。投資家が、丑久保さんのビジネスアイデアに興味を持って、起業の資金を出してくれたとします。これを「出資」と言います。

 

一人で大金を用意できない場合は、最近流行の「クラウドファンディング」で資金集めをする場合もあります。応援したい企業やビジネスアイデアを持った個人に対して、みんなが少額ずつ資金を出し合うクラウドファンディングも、投資の一種です。

 

――お金が必要な人にとっては、出資やクラウドファンディングで支えてもらっているということですね。

 

渡邊 その通りです。投資家のおかげで、さまざまなビジネスが形となり、人を雇うことで雇用が生まれて、私たちの生活が便利になります。投資とは、お金が余っている人が、お金を必要としている人に出資をすることにより、私たちの経済を回すことなんです。もしも、全額自己資金でビジネスをおこなわないといけないとしたら、世界中の半分以上のビジネスが姿を消すことになるでしょう。

 

――投資が、私たちの社会を発展させているということですね。

 

渡邊 一方、ギャンブルには成長性がありません。ギャンブルの賭け金は、オーナーの利益を控除した後、参加者同士で奪い合うだけです。たとえば、競馬のレースで「今日は、賭け金が多いな。よし、気合を入れて走るぞ!」って、馬が突然パワーアップするわけではありません。賭け金が多くても少なくても、馬と騎手は一生懸命レースをするだけです。

 

――要するに、投資とギャンブルでは、お金の使われ方が違うということですね。

 

渡邊 そうです。投資は、新たなビジネスが生まれたり、雇用を生み出したりして経済が成長しますが、ギャンブルは参加者同士で賭け金を奪い合っているだけなんです。

 

渡邊 一慶
ファイナンシャル・プランナー

 

 

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