過去に株式市場が大暴落をしたことも何度もありました。1987年のブラックマンデー、2001年のITバブル崩壊、2007年のサブプライムローン問題、2008年のリーマンショック……、これらすべてはアメリカ発の金融危機です。貯蓄好きな日本人向きの投資方法はあるのでしょうか。ファイナンシャル・プランナーの渡邊一慶氏が著書『定期預金しか知りませんが、私、本当にお金持ちになれるんですか?』(秀和システム)で解説します。
アメリカ型VSヨーロッパ型…日本人に向いている投資法はどっち?

投資ではリスクを上手にコントロール

■「ポートフォリオ」「アセットアロケーション」って何?

 

――投資には成長性があって、ギャンブルにはないということはわかりました。それでもやっぱり、投資にはリスクがあるのは間違いないですよね?

 

渡邊 では、投資のリスクについて考えてみましょう。丑久保さんは、リスクと聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

 

――リスクですか……「危険、怖い、損をする」などのイメージがあります。

 

渡邊 そうですよね。多くの人は、投資のリスクを危険だと考えています。しかし、本当にそうでしょうか? 丑久保さんは、リスクコントロールとかリスクマネジメントという言葉を聞いたことがありますか?

 

――はい、社内でよく使われていますよ。

 

渡邊 もしも「リスク=危険」であれば、危険なものをコントロールしたりマネジメントしたりしてはダメですよ! 危険なものには近づかないことが何よりですから、極力排除するべきでしょう。じつは、投資のリスクとは「振れ幅」を意味しています。

 

――振れ幅?

 

渡邊 丑久保さんは、バンジージャンプの経験はありますか?

 

――ありますよ。海外で飛んできました(もう2度目はいいかな……)。

 

渡邊 たとえば、高さ100メートルのバンジージャンプを飛ぶと、飛び降りた後にロープがビヨーンと戻ってきますよね。このロープの戻りが振れ幅なんです。それでは、もしも高さ10センチのバンジージャンプがあったとしたら、ロープの振れ幅はありますか?

 

――ないですね。そもそも高さ10センチのバンジージャンプなら、階段を降りているのと一緒ですし、飛ぶというよりも歩いているだけですよ。

 

渡邊 そうですね。同じバンジージャンプでも、どの高さから飛ぶかによってロープの振れ幅は異なります。投資もまったく同じです。金融商品には、株式、債券、不動産……さまざまな投資対象があります。まずは、それぞれの金融商品の特徴を知っておくことが大切なんです。

 

――投資にもいろんな種類があるんですね。どの商品に投資をするのかって、そんなに大切なんですか?

 

渡邊 もちろん! どんな商品があるのかは後で詳しくお話ししますが、投資の世界では、投資する金融商品の組み合わせのことを「ポートフォリオ」といい、どの商品にどのくらいの資金を投資するのか、資産配分を決めることを「アセットアロケーション」といいます。じつは、ポートフォリオの組み合わせとアセットアロケーションで、投資で成功するのか失敗するのかが決まってしまうくらい大切なことなんです。

 

――ええっ、そんなに大切なんですね! それなら、まずは金融商品の種類を覚えて、自分にあったポートフォリオを組むことから始めないといけないですね。

 

渡邊 そうです。まずはポートフォリオを決めて、次に資産配分を決めるんです。投資する金融商品の種類によって、どのくらいのリターンが期待できるのかがおおよそ決まっています。だから、間違ったポートフォリオを組んでしまうと、自分が望んでいるリターンを実現できない可能性が高くなってしまいます。

 

――なるほど。それなら、損失が出ないようにして、一気に大きな利益を上げたいです!

 

渡邊 残念ながら、そんなに都合のいい方法はありません。投資には「ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン」という言葉があります。投資のリスクは振れ幅だという話を思い出してください。大儲けをするということは、大損の可能性もあるということです。反対に、少ししか儲からないということは、損失も最小限ということから、投資ではリスクという振れ幅を上手くコントロールすることが大切なんです。

 

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