介護にかかるお金は、介護サービス費だけではありません。どんな費用がどれだけかかるのでしょうか? 安藤なつ氏(メイプル超合金)、介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子氏による共著『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA)より、介護費用の注意点と軽減制度を解説します。
「特定入所者介護サービス費」で部屋代・食費を軽減
太田先生「介護保険で入居する特別養護老人ホームやショートステイなどでは、住民税非課税世帯なら、部屋代・食費が軽減される制度があります。」
安藤さん「本来全額自己負担となる部分が安くなるのですね。ぜひ知りたいです。」
太田先生「『特定入所者介護サービス費』といい、所得の低い人が市区町村に申請をすれば、部屋代と食費が軽減される制度です(図表4)。」
安藤さん「どのくらい軽減されるのですか?」
太田先生「たとえば、単身の親が住民税非課税で、年間の年金収入が80万円以下、預貯金額が650万円以下の場合、通常1日あたりの部屋代2006円、食費は1445円の負担になるところ、部屋代は820円、食費は390円まで軽減され、1ヵ月あたり6万円以上安くなります(図表5)。」
安藤さん「親の所得が低くても、制度を使えば何とかなるということですね」
太田先生「手続きなどの詳細については、地域包括支援センターやケアマネジャーあるいは直接施設に相談してくださいね。」
メイプル超合金・安藤 なつ
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)
太田 差惠子
介護・暮らしジャーナリスト
メイプル超合金
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)
1981年1月31日生まれ、東京都出身。2012年に相方カズレーザーと「メイプル超合金」を結成。ツッコミ担当。
2015年M-1グランプリ決勝進出後、バラエティを中心に女優としても活躍中。介護職に携わっていた年数はボランティアも含めると約20年。
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を持つ。厚生労働省の補助事業『GO!GO!KAI-GOプロジェクト』の副団長。
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連載安藤なつ(メイプル超合金)が聞いてきた! 弱った親と自分を守る「お金とおトクなサービス」超入門
介護・暮らしジャーナリスト
京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。企業、組合、行政での講演実績も多数。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格も持つ。
一方、1996年親世代と離れて暮らす子世代の情報交換の場として「離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ」(http://paokko.org/)を立ち上げ、2005年法人化した。現理事長。
2012年立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士課程修了(社会デザイン学修士)。
【主な著書】
『親の介護で自滅しない選択』(日経ビジネス人文庫)、『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)、『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版』『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第2版』『子どもに迷惑をかけない・かけられない! 60代からの介護・お金・暮らし』(以上翔泳社)など多数。
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