暦年贈与の代わりになる「4つの相続税対策」【税理士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

近い将来に実施されるであろう税制改正によって、遅かれ早かれ贈与と相続の一体化、そして贈与税の基礎控除の廃止が想定されます。そんな時代に備えて、どのような相続税対策が考えられるでしょうか。本稿では、税理士法人レガシィ『「生前贈与」のやってはいけない』(青春出版社)より、暦年贈与の代わりになる「4つの対策」を解説します。

生前贈与がなくなっても「できること」がある

贈与税改正があって、暦年贈与のメリットがなくなった場合、どのような相続税対策が考えられるのでしょうか。ここでは、次の4つの対策について紹介します。

 

1. 親子で住宅を取得して共有する

2. プライベートカンパニー(個人資産管理会社)を設立する

3. 孫と養子縁組をする

4. 海外疎開をする

 

どの方法も、やり方によっては税務当局から相続税逃れとして指摘される恐れがあります。法律に触れずに進めるには、税理士など専門家に相談していただくのが安心です。

1. 親子で住宅を取得して共有する

■「子どもの住宅」を親子で共同購入

子どもが住宅を買うときに、親と共同購入するのは一つの手です。そして、資金を出した割合にしたがって、親子で共有名義にします。こうすれば、親が亡くなって相続の段になれば、その親の持分を子どもが相続すればよいのです。この方法ならば、親の支出額が親の持分になるだけですから贈与には当たらず、贈与税はかかりません。

 

この方法でマンションを購入すると、相続税対策のメリットが大きくなります。というのも、相続財産を計算するときに、建物や土地は現金よりも評価額が低くなるためです。とくに、建物は評価額が低くなるので、その分が相続財産に含まれても、大変な金額にはならないでしょう。その点、分譲住宅(一軒家)よりも土地の分が少ない分譲マンションは有利です。

 

もちろん、共有名義であっても、子ども(とその家族)だけが住むことに問題はありません。子どもにしてみれば、親に支援してもらえるし、自分の住む場所が持てるし、節税はできるしということで願ったりかなったりの方法といってよいでしょう。

 

「親や祖父母からの住宅取得等資金の贈与には非課税の特例があるのでは?」という考えもあるかもしれませんが、それだけでは足らない場合も多くあるのです。

 

最近では、この方法が節税策として知られるようになり、マンションギャラリーでは「子どもが30代、40代で家を買うと、親からの資金はどのぐらい援助してもらえるのか」という相談がひっきりなしにあるそうです。暦年贈与ができなくなると、さらに注目を浴びることでしょう。

 

■「支出金額に応じて持分を決める」ことが重要

注意すべきなのは、不動産登記をするときに、それぞれが支出した金額によって持分を決めることです。「親が3分の2を出したけれども、相続のことを考えて持分は子どものほうを多くしておこう」などと考えると、その差分が親から子に対する贈与として扱われ、贈与税が課せられてしまいます。

 

また、住宅は新規購入がいいでしょう。すでにある親の住宅の一部を、子どもが購入して共有する形にすると、不動産取得税や登録免許税などの移転コストがかかってしまいます。

 

きょうだいでの共有はもめごとのもととされますが、親子の共有は問題ないと考えます。きょうだいの場合とは違って、親が先に亡くなって子どもが相続するというシナリオがはっきりしているからです。

税理士法人レガシィ 代表社員税理士
公認会計士、宅地建物取引士、CFP 

1951年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。アーサーアンダーセン会計事務所を経て、1980年から現職。

『やってはいけない「実家」の相続』(青春出版社)、『いま親が死んでも困らない相続の話』(SBクリエイティブ)、『日本一の税理士が教えるもめない相続の知恵 事例で学ぶ相続トラブル回避術』(SBクリエイティブ)など著書多数。

著者紹介

税理士法人レガシィ 代表社員税理士
公認会計士 

1979年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修了。富士通エフ・アイ・ピー(株)、監査法人を経て現職。著書に『改訂版 はじめての相続・遺言100問100答』(明日香出版社)などがある。

著者紹介

1964年創業。相続専門税理士法人として累計相続案件実績件数は22,000件を超える。公認会計士、税理士のほか、宅地建物取引士を含め、グループ総数1,670名のスタッフが、すべての相続手続きをワンストップで対応し、相続に関するあらゆるノウハウを蓄積している。

【税理士法人レガシィHP(https://legacy.ne.jp/)

著者紹介

連載相続専門税理士法人が解説!「生前贈与」のやってはいけない

※本連載は、税理士法人レガシィ、天野隆氏、天野大輔氏による共著『「生前贈与」のやってはいけない 知らないと損する相続の新常識』(青春出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「生前贈与」のやってはいけない 知らないと損する相続の新常識

「生前贈与」のやってはいけない 知らないと損する相続の新常識

税理士法人レガシィ
天野 隆
天野 大輔

青春出版社

近い将来、贈与税が改正されるのでないか、として注目を集めている「生前贈与」。相続対策の王道ともいえる節税術が使えなくなる前に、「駆け込み贈与」をしようと考える人が増えています。しかし、単に贈与をすればいいわけで…

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