生前贈与がなくなっても「できること」がある
贈与税改正があって、暦年贈与のメリットがなくなった場合、どのような相続税対策が考えられるのでしょうか。ここでは、次の4つの対策について紹介します。
2. プライベートカンパニー(個人資産管理会社)を設立する
3. 孫と養子縁組をする
4. 海外疎開をする
どの方法も、やり方によっては税務当局から相続税逃れとして指摘される恐れがあります。法律に触れずに進めるには、税理士など専門家に相談していただくのが安心です。
1. 親子で住宅を取得して共有する
■「子どもの住宅」を親子で共同購入
子どもが住宅を買うときに、親と共同購入するのは一つの手です。そして、資金を出した割合にしたがって、親子で共有名義にします。こうすれば、親が亡くなって相続の段になれば、その親の持分を子どもが相続すればよいのです。この方法ならば、親の支出額が親の持分になるだけですから贈与には当たらず、贈与税はかかりません。
この方法でマンションを購入すると、相続税対策のメリットが大きくなります。というのも、相続財産を計算するときに、建物や土地は現金よりも評価額が低くなるためです。とくに、建物は評価額が低くなるので、その分が相続財産に含まれても、大変な金額にはならないでしょう。その点、分譲住宅(一軒家)よりも土地の分が少ない分譲マンションは有利です。
もちろん、共有名義であっても、子ども(とその家族)だけが住むことに問題はありません。子どもにしてみれば、親に支援してもらえるし、自分の住む場所が持てるし、節税はできるしということで願ったりかなったりの方法といってよいでしょう。
「親や祖父母からの住宅取得等資金の贈与には非課税の特例があるのでは?」という考えもあるかもしれませんが、それだけでは足らない場合も多くあるのです。
最近では、この方法が節税策として知られるようになり、マンションギャラリーでは「子どもが30代、40代で家を買うと、親からの資金はどのぐらい援助してもらえるのか」という相談がひっきりなしにあるそうです。暦年贈与ができなくなると、さらに注目を浴びることでしょう。
■「支出金額に応じて持分を決める」ことが重要
注意すべきなのは、不動産登記をするときに、それぞれが支出した金額によって持分を決めることです。「親が3分の2を出したけれども、相続のことを考えて持分は子どものほうを多くしておこう」などと考えると、その差分が親から子に対する贈与として扱われ、贈与税が課せられてしまいます。
また、住宅は新規購入がいいでしょう。すでにある親の住宅の一部を、子どもが購入して共有する形にすると、不動産取得税や登録免許税などの移転コストがかかってしまいます。
きょうだいでの共有はもめごとのもととされますが、親子の共有は問題ないと考えます。きょうだいの場合とは違って、親が先に亡くなって子どもが相続するというシナリオがはっきりしているからです。