(※写真はイメージです/PIXTA)

持て余している土地や建物を「タダでいいから」と第三者へ譲渡する「0円不動産」。「タダより高いものはない」といいますが、この0円不動産も然り、譲り受けることで高額な維持管理費や修繕・解体費用を背負うリスクが伴う場合もあります。しかし、これらのリスクをうまく取り除けば、一般の不動産投資と同様、収益を上げることも可能です。ポイントを解説します。

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    「0円不動産」のトラブル事例

     

    ◆不法占有者との共存

     

    地方都市にある300坪の土の農地を無償譲渡したいという話が舞い込み、譲渡を受けることにしました。大きな土地面積に魅かれて引き取りましたが、敷地の中央にあぜ道があり、その突き当りに第三者Aの小屋が建っています。

     

    前所有者から「Aさんとは古くからの付き合いだから、今まで通りあぜ道を使わせてあげてほしい」と頼まれたものの、あぜ道があることで大きな土地が分断され有効に使うことができません。Aが通行地役権の登記を備えているわけではないので拒否もできますが、争いを起こすのも厄介です。Aとの共存がいつまで続くのかが悩みの種です。

     

    ◆目に見えない欠陥のある住宅

     

    「借地上に建つ築30年の戸建住宅を無償で譲りたい」という話がありました。外観も室内も築年程度の劣化で雨漏りなどの瑕疵もなく、一般の不動産市場でも十分受け入れられそうな物件です。所有者に聞くと「重大な設計ミスがあった」といいます。

     

    一通り内見を済ませ玄関を出た時、設計ミスの内容がわかりました。まっすぐ歩けません。見た目ではわからない、大きな傾きのある家だったのです。所有者は解体して建て直しを考えたものの膨大な費用がかかるため、0円譲渡を決めたとのことでした。

    まとめ

     

    過去に購入したものの不要となった土地や、相続したものの管理しきれない空き家など、所有者が持て余している物件が「0円不動産」として世に出回っています。そのままでは“負動産”でしかありませんが、手を加えれば収益不動産として運用可能なポテンシャルも秘めています。

     

    0円不動産は一般的な不動産市場ではなくSNSグループ内で取引されており、メンバーは建物施工や不動産投資のプロばかりです。隣地トラブルや建物瑕疵の対処ができる知識や経験がある人なら、0円不動産投資に着手しても良いでしょう。
     

     

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    ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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