厚生労働省が行っている、ホームレスの実態調査。その結果からは、意外過ぎる事実が浮き彫りになりました。みていきましょう。
以前は社長やっていたよ…実態調査からみえた「ホームレス」驚きの事実

なぜ彼らは「ホームレス」になったのか?

現在、ホームレスをしている人たち。そもそもその前は、どのような生活を送っていたのでしょうか?

 

まず仕事は「建設・採掘従事者」が最も多く36.3%。「生産工程従事者」が12.9%と続きます。さらに仕事上の地位については「正社員」が最も多く45.8%。「経営者・会社役員」だったという人も、2.2%いました。

 

【ホームレス直前の仕事】

  • 建設・採掘従事者:36.3%
  • 生産工程従事者:生産工程従事者:12.9%
  • 運搬・清掃・包装等従事者:9.6%
  • サービス職業従事者:7.5%
  • 販売従事者:6.0%
  • 輸送、機械運転従事者:5.2%
  • 保安職業従事者:3.9%
  • 専門・技術的職業従事者:2.2%
  • 事務従事者:2.0%
  • 管理的職業従事者:1.2%
  • 農林漁業従事者1.0%

 

【ホームレス直前の仕事上の地位】

  • 正社員:45.8%
  • パート・アルバイト:23.2%
  • 日雇:20.7%
  • 自営・家族従事者:4.8%
  • 経営者・会社役員:2.2%

 

出所:厚生労働省『ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)』より

 

このような人たちが、なぜホームレスとなったのか。最も多かったのが「仕事が減った」24.5%。「倒産や失業」22.9%、「人間関係」18.9%、「病気・怪我」が14.3%と続きます。

 

【ホームレスになった理由】

  • 仕事が減った:24.5%
  • 倒産や失業:22.9%
  • 人間関係がうまくいかず仕事を辞めた:18.9%
  • 病気や怪我で仕事ができなくなった:14.3%
  • 家賃が払えなくなった:13.2%
  • 家族との離別・死別:8.5%
  • 家庭関係の悪化:7.9%
  • 飲食・ギャンブル:6.9%
  • 労働環境が劣悪で仕事を辞めた:5.5%
  • ホテル代やドヤ代が払えなくなった:5.3%
  • 借金の取り立てで家を出た:3.0%
  • 契約満了で宿舎を出た:2.7%
  • 病気や施設から出てあと行き先がなかった:1.5%
  • 差押えによる立ち退き:1.1%

 

出所:厚生労働省『ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)』より

 

さまざまな要因でホームレスになった人たち。今後について尋ねると、「アパートに住み、就職して自活したい」17.5%、「アパートで福祉の支援を受けながら、軽い仕事をみつけたい」12.9%よりもはるかに多かったのが、「今のままがいい」で40.9%。その理由は、「今の場所に馴染んでいる」が29.0%、「都市雑業的な仕事があり暮らしていける」が24.5%、「福祉の支援を受けたくない」が13.3%と続きます。

 

【ホームレス「今後の生活への希望」】

  • 今のままでいい:40.9%
  • アパートに住み、就職して自活したい:17.5%
  • アパートで福祉の支援を受けながら、軽い仕事をみつけたい:12.0%
  • 就職はできないので、何らかの福祉を利用して生活したい:7.6%
  • 寮付の仕事で自活したい:2.4%
  • 家族の元に戻りたい:1.0%

 

出所:厚生労働省『ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)』より

 

「ホームレスのままでいいよ」と考えいる人が4割にもなるというのは、驚きの事実でしょうか。たださまざまな問題を抱え、逃げた先がたまたまホームレスだった、という場合、前のような生活には戻りたくないはず。そう考えると、この数字は当たり前のものかもしれません。