(写真はイメージです/PIXTA)

弁護士や税理士、司法書士、行政書士……相続について専門家に相談しようにも、どこに相談したらいいかわからず、困っている方も多いのではないでしょうか。今回は相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士が、相続の専門家それぞれの特徴と相談すべきタイミングについて解説します。

相続の相談を「行政書士」にすべきケース

最後に、相続の相談を行政書士にすべきケースを解説します。

 

行政書士は「許認可」「権利義務関係」の専門家

行政書士とは、許認可や権利義務関係の書類を作成する専門家です。紛争性がない場合に書類の作成を依頼したい場合には、行政書士を窓口とすることも1つです。

 

ただし、行政書士が取り扱うことのできる業務はかなり広範囲にわたるため、相続についての業務を一切行っていない事務所も少なくありません。また、実際には相続業務をほとんど取り扱ったことがないにもかかわらず、業務メニューとして相続を掲げている事務所も存在するようです。

 

行政書士へ相談する場合には、その事務所が相続業務を取り扱っているかどうかを確認してから相談するといいでしょう。

 

ケース1.遺産分割協議書の作成を依頼したい

遺産の分け方自体は相続人同士での話し合いでまとめられるなど、紛争性がない場合に遺産分割協議書の作成を依頼したい場合には、行政書士へ相談することが考えられます。遺産分割協議はその後の財産の名義変更などにも使用するため、話し合いの結果を明確に記載する必要があります。

 

自分で作成して不備を残してしまわないためにも、行政書士へ相談することを検討しましょう。

 

また、遺産分割協議の前段階で必要となる相続関係図の作成と、そのための戸籍謄本や除籍謄本などの相続関係書類の収集についても、行政書士に代行してもらうことが可能です。

 

相続手続きに必要となる戸籍謄本は最新のものだけでは足りず、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や除籍謄本などを集めなければなりません。

 

特に、遠方の市区町村役場から取り寄せる必要がある場合には自分で行うことが難しい場合もあるため、これらの書類の取り寄せで困った場合にも、行政書士へ相談するとよいでしょう。

 

ケース2.預貯金の解約などの諸手続きも代行して欲しい場合

相続に伴う預貯金の解約や証券口座の相続手続きなどの諸手続きまでを代行して欲しい場合にも、行政書士に相談するとよいでしょう。

 

これらの手続きは資格がなければ行えないものではありません。ただし、資格者以外への依頼の場合には守秘義務の点などで疑問が残るため、資格者のなかでも比較的機動的に動いてくれることの多い行政書士へ相談すると、スムーズであることが多いといえます。

 

まとめ

相続の相談を受けている事務所は数多いため、どこに相談すべきかと迷ってしまう場合もあるでしょう。これまで解説したとおり、それぞれの専門家には特徴があります。

 

しかし、相続業務を取り扱っている事務所であれば、他の専門家とネットワークを構築し、必要に応じて他の専門家を紹介できる仕組みを整えていることが一般的です。

 

 

Authense法律事務所

堅田 勇気
 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録