前回は、不動産投資における「レバレッジ」のメリット・デメリットについて説明しました。今回は、不動産投資において、融資を受けるために「立地の選び方」が重要となる理由を見ていきます。

不動産投資も「事業」である以上、融資戦略が必要に

多くの間違いは、物件探しから入ってしまうために起こります。高利回り物件を買いたいということで、インターネットで物件を探すと地域が限られる傾向にあります。

 

そして、この物件に対して、融資可能な銀行は限られてしまうのです。本来であれば、その投資家の資産背景、属性によって使える銀行は変わりますが、初めから一つの銀行に絞られてしまうのは、今後の買い進めに影響が出ます。

 

不動産投資は事業です。事業には、どのように進めていくのかという戦略が必須です。つまり、最初に融資戦略をしっかり立てることが肝要なのです。

 

その融資戦略を考えると、立地に関しては銀行によって絞られてきますので、「このエリアに投資したい!」というこだわりはなくてもいいということです。どちらにせよ、必ず市場調査を行うところからはじめるのが基本です。

銀行によっては「立地のせい」で融資が下りないことも

ある一定の地域に絞って物件を取得している場合のデメリットをいえば、地方銀行によっては、その資産の半数以上を所有している地域をメインの活動エリアと見なす場合があります。

 

例えば、神奈川県に住む投資家が、札幌で3~4棟を購入したケースでは、神奈川県のとある銀行で借りにくくなる場合もあります。この辺の判断は銀行によっても変わるところですが、所有物件を共同担保に入れて、その担保力を使って次を買うというときも、エリア外の物件は、基本的には担保は取れません。

 

そう考えると、どのエリアで買うかというのは、需給バランスと、管理できるかどうか、今後の融資、買い進めるにおいての融資との兼ね合いを考えて選ぶべきということです。

 

また、共同担保に入れるときには、売却時にハンデとなる可能性があり注意が必要です。加えて、法人スキームにおいては自宅の共同担保も要注意です。詳細は割愛しますが、物件の買い進めにおいて問題となることもあるからです。

本連載は、2016年6月30日刊行の書籍『不動産投資の嘘』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

不動産投資の嘘

不動産投資の嘘

大村 昌慶

幻冬舎メディアコンサルティング

融資のこと、業者のこと、出口戦略のこと…不動産投資において知っておくべき情報は数多く存在する。 これから投資を行おうと思っている人、実際に投資を行っている人の多くは、本やセミナーから多くの情報を得る。しかし、そ…

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