地方では賃料水準が低く、相対的に修繕費が高くなる
地方で不動産投資を行う場合に気を付けるポイントはいくつかあります。賃料水準が低くて修繕費が高い地域。特に札幌などの物件で陥りやすい罠です。
例えば、単身者向けの20平米の1Kがあったとします。部屋から退去したとき、クロスや床などの修繕をして貸せる状態まで戻す原状回復工事を行います。札幌は若干リフォーム業者の単価が安いですが、それでも1部屋退去が出るごとに、修繕が15万円程度かかります。
東京の都内の利便性のよい立地であれば、同じ広さの物件で、大体家賃が7万~8万円くらいです。対して、札幌では家賃は2万~3万円です。要するに、2倍から3倍近い収入差があるわけです。
しかし、賃料に大きな差があっても、かかる修繕費用はほぼ同じです。エアコンが壊れた場合でも、札幌であっても東京であっても交換にかかる費用はほぼ同じです。地方だからといって人件費が東京の半額ということはありません。
つまり、賃料水準が低いと平米あたりの効率というのが悪いわけです。下手をすると、原状回復費用で年間家賃の半分くらいを持っていかれてしまいます。特に単身者向けの物件は回転が速いため、修繕費が収益を圧迫するケースがよく見られます。
都心のデメリットは「収益性」の低さ
首都圏に物件を持ちたいという投資家は多いです。特に東京23区など、資産性も高いため魅力に思う人が多いのです。
しかし、都心の不動産の収益性はとても低いです。不動産投資の書籍を見れば、利回り20%や30%など、景気のいい話がたくさんあるため、勘違いされた方から、「利回りがこんなに低いのは、おかしくないですか?」と聞かれることもあります。そのエリアによって利回りが大分変わるという知識は、初心者は持っていないのだと思います。
当然のことながら、不動産投資には相場があります。不動産は、経済の相場の波に若干遅れて、緩やかに変動します。過去のデータを見ても、同じような感じで推移しています。
[図表]不動産と景気の循環