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全国で活躍する「タウンマネージャー」
さまざまな問題を抱える自治体はタウンマネージャーを養成し、中心市街地(商店街など)の活性化を主軸とした地域開発を委ねています。以下は全国各地で実践されたタウンマネジメント事例です。
関東エリア・A市の事例
★地域の課題
A市の中心市街地では、商業者の高齢化や後継者不足などから小売店数、従業者数、年間商品販売額などが減少し、商業機能が低下していました。
★地域の特性
A市の目抜き通り(商店街)には街の歴史・文化・産業とかかわりが深い商店や古民家が林立しており、昔ながらの風情ある街並みが形成されています。
★タウンマネージャーの動き
商店街の店主・家主を対象に「後継者の有無」や「現在の営業形態」についてアンケート調査を行い、調査結果から得られた街の危機的状況を共有することで「空き店舗対策」事業の必要性を訴えました。事業スタート後は「空き店舗見学ツアー」などを開催、地域外から複数の新規開店・移住希望の声が集まりました。
近畿エリア・B市の事例
★地域の課題
B市の中心部には戦後の闇市を原点とする大規模アーケード街があります。昭和後期には100余りの店舗が入居していましたが、店主の高齢化と建物老朽化の影響で廃業が進み、ほとんどが空き店舗になってしまいました。
★地域の特性
B市は生地や糸を売る商店のほか、衣服の仕立て・ほつれ直しなどの仕事を請け負う職人も集まる古くからの繊維問屋街でした。
★タウンマネージャーの動き
アーケード街は店主らによる区分所有となっていたため、まずは権利関係や設備条件などの調査を実施し、所有者らの承諾を得た上で賃貸店舗として貸し出す準備を進めました。入居店舗はファッション関連のクリエーターに限定し、往年の問屋街の賑わいを彷彿とさせる魅力的なアーケード街を再現させました。
東海エリア・C市の事例
★地域の課題
C市中心市街地にある小売業の業績はわずか7年間で4割減・1,000億円超と大幅な落ち込みとなっていました。
★地域の特性
C市は江戸の名将が築いた城跡など歴史的資産が多数残る地域で、これらの観光資源に支えられて発展してきました。
★タウンマネージャーの動き
売上げ減少の大きな原因である空き店舗を解消するためには、地元商店主や地主の理解・協力を得る必要がありました。そこで商店街の未来について地権者同士が意見交換できるオーナー団体を発足させたところ、さまざまな相談や意見が舞い込んでくるようになりました。とくにチェーン店を入居させる場合は、歴史的街並みの統一感が安易に乱されないよう、オーナー団体が指定する街づくり協定の遵守を求めるよう徹底しました。
課題解決能力が問われる
タウンマネジメントを行うにあたり最も重要なのは「地元との親和」です。どんなに素晴らしいプランがあっても、それが受け入れられなくては何の意味もありません。街はいわば地権者の財産です。
話し合いは「よそ者に荒らされたくない」「どうこう言われたくない」というところからのスタートになりますから、タウンマネージャーには人間的な魅力や信頼感が求められます。それに加え、街の現状を迅速に把握し、問題が起きている原因や障壁となっている部分(インフラ未整備や複雑な権利関係)を見つけ、的確な改善提案を行う課題解決能力の高さも問われます。
タウンマネージャーの活躍は、不動産投資家も要注目
タウンマネージャーの任務は関係人口(地域と多様に関わる人々)増加の促進です。
対象地域で若い人の起業や移住が増えれば関係人口が増加し、それに伴い賃貸住宅の需要も伸び、ひいては不動産相場の上昇も促されます。タウンマネージャーの活躍は不動産投資家にとっても注目すべきものなのです。
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