自分の性格に合わない金融商品は避けるほうが無難
ルール設定の最後に、もうひとつ注目しておきたいのが、資産形成する人の「⑦性格」です。
たとえば、いったん大きなリスクをとって投資を始めると、なかには「気になって仕方がない」とおっしゃる方もいます。あるいは、非常に「気が短い」ので長期運用には向かないという方もいます。特に株式や投資信託に投資した場合、自分自身でネットや新聞を使って価格の推移をチェックして、少しでも利益が出てくると、「もう利益確定したほうがいいんじゃないか」と心配される方もいます。
そういう意味で言うと、自分の性格に合わないような金融商品は避けてしまうほうがいいのかもしれません。問題は、自分の性格を冷静に判断することが意外と難しいことです。その場合、たとえば、図表のような分類方法で分析する方法もあります。
【図表 性格によるタイプ別投資診断】
社交的な性格に向いている商品とは・・・
●友好型気質(フレンドリータイプ)
人間関係を重視し、個人的な関係を大切にする性格です。協力的であり、社交的、忍耐強い、親しみやすい一面、決断が遅く優柔不断。自己主張が少なく、投資に関しては多数派で、他人の実績が自身の判断基準になる傾向や、人の意見に押し切られる傾向があります。
結論が出るまでじっくり待つタイプで、リスクをある程度控えた商品、運用期間の長い商品が向いているかもしれません。たとえば、実績のある投資信託や長期運用で歴史が古い不動産投資などが向いているのではないでしょうか。
●積極型気質(アグレッシブタイプ)
積極的で社交的。常に周囲に対して活気のある雰囲気を作り出す性格です。未来思考で、反応が敏感なものの、感情的でやや飽きっぽく、理論的に考えたり、細かな解説書などを読んだりするのは苦手です。
楽観主義者で、常識やルールにはあまり捉われません。急成長しているものに注目し、発想も創造的です。そんなタイプの人には、シンプルで分かりやすい海外の外貨建て金融商品や自分で興味のあるファンドを自由に選べる401を使って、コツコツと知らず知らずのうちに資産が形成できるようなタイプの投資商品がいいかもしれません。
開業医には成果型気質が多い!?
●分析型気質(アナリティカルタイプ)
現実主義的で、目標に向かって着実に進んでいくタイプの性格です。冷静で几帳面、情報収集や分析を徹底的に行い、強い独立心があります。投資行動も、完璧主義的なところがあり、最も効果的でリスクの少ない商品を選択する傾向があります。開業医に一番多いタイプです。
勤勉で自己管理や分析に優れている反面で、柔軟性に欠け、保守的、決断に時間がかかるなどの弱みもあります。こうした性格の人には、情報を正確に把握して、投資判断する傾向がありますので、資産形成のイメージを掴むことができれば、どのような商品を選んでもいいのではないでしょうか。
●成果型気質(コンプリートリータイプ)
責任感が強く、行動が迅速で敏感。常に結果を重視し、果敢に目標に向かう性格です。現実主義であり、実利主義でもあります。その反面で気が短く、頑固、マイペースすぎるという欠点もあります。
こうした性格の投資行動は、目標をきちんと設定し、その目標を達成するためには積極的に投資します。「必達」がこの性格の人のキーワードであり、入り口と出口が明確なプライベートバンキングなど、確実に利益を上げてくれそうな委託型の商品がいいのかもしれません。
このように、実際の投資行動に出る前に、自分の性格を把握しておくと、自分に向いている商品が分かります。これらは相性の目安ですが、どのタイプにも共通して言えることは、あくまでフラットな目線で商品(投資手段)を理解し、ファイナンシャルゴールを達成できるかどうかが重要であるということです。