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65万円から320万円でも「高い」とはいえないワケ
新品の腕時計を、本来の定価より高い「プレミアム価格」で買うのは、損をする感覚があるかもしれませんが、実際、それが本当に損かどうかは、中古相場を見ればわかります。
プレミアム価格で買ったとしても、その後の中古相場が上昇すれば、売るときには買値より高く売れる可能性があります。また、売る予定がなかったとしても、自分の腕時計の資産価値が下がっていないのは嬉しいことでしょう。
しかし、この「安い」「高い」という判断の基準をどこに置けばいいか?その重要性はあまり知られていません。高級腕時計の知識が多少なりともある方は、「今は高い・安い」といった相場観をお持ちでしょうが、実はその感覚は絶対的なものではないのです。
高級腕時計に初めてプレミアム価格がついたのは、おそらく1995年頃のことだと思います。そのモデルが、ロレックスのデイトナ16520でした。私が調べたデータでは、2000年頃における16520(黒文字盤)の新品実勢価格は約114万円(税別)でした。このモデルの定価は65万円(税別)ですから、定価の2倍近いプレミアム価格がついたわけです。
では、114万円で買うのは損だったかというと、そうではありません。2021年現在の中古相場は、320万円以上にはね上がっています。2000年頃に割高感のあった価格(約114万円)で買ったとしても、その後、その3倍近い価格に高騰したわけです。
ちなみに16520は、プレミアム価格となって以降、中古相場を含めて定価の65万円(税別)を一度も下回ったことがありません。「定価でないと絶対に買わない」と決め込んでいたら、このモデルはずっと買うことができなかったでしょう。
16520は高級腕時計であるわけですが、誰も見向きもしない腕時計だったなら、定価の65万円でも「割高感」があるといえます。
しかし、プレミアム価格となって以降は、65万円で買うことができたならば、それは大チャンスでした。2000年頃の114万円程度という新品実勢価格も、中古相場が320万円以上になった2021年の感覚からすると、それもまた「買っておけばよかった」ということになるわけです。
そして、現在の320万円という中古価格も、もしも今後500万円台といった中古相場になるのであれば、「あのときは安かった」となるでしょう。
つまり、65万円も114万円も320万円も、「高い」「安い」という判断は絶対的なものでなく、相場に左右されるわけです。
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