(※写真はイメージです/PIXTA)

暗号資産取引で一定額以上の利益が出た場合、確定申告をして納税する必要があります。株式投資やFXと比較して手続きが面倒だといわれていますが、現在では損益計算ツールも普及し始め、確定申告の手間暇が省けるようになってきています。今回は、暗号資産の確定申告の流れについて、暗号資産税務計算の支援サービスを提供する株式会社Aerial Partnersの代表取締役・沼澤健人氏が解説していきます。

「あとは簡単!」だが…「納税資金の準備」に要注意

②確定申告書の作成・提出

利益額の計算が完了したら、あとは特別難しい作業はありません。確定申告書を作成して期限内に提出します。

 

暗号資産取引によって発生した所得は原則として雑所得に区分されるので、確定申告書の雑所得の欄に計算した所得額を記載します。またこの際、暗号資産を売却するために生じた経費額の記載を忘れないようにしましょう。具体的には、暗号資産取引のみに使用するパソコンの購入費や、インターネット回線費用などが経費にあたると考えられますが、詳しい経費の範囲・計算方法については税務的な専門知識が必要になるケースも多いため、所轄税務署や税理士に相談することをおすすめします

 

参考:国税庁「暗号資産の取引に係る収入がある場合

 

確定申告書は手書きで作成し税務署に提出する方法やオンラインで実施する方法もあります。国税庁の確定申告書等作成コーナー・e-taxを利用すれば画面の案内に従って申告書の作成から提出まで行うことができるので、自分に合った方法で申告書を作成・提出しましょう。

 

③確定申告が完了したら納税

確定申告書を提出すると納税金額が確定するので、期限までに納税します。

 

会社員の場合、給与所得にかかる税金は源泉徴収と年末調整によって給与振込時に支払われているため、改めて納税する必要はありませんが、暗号資産の所得部分にかかる税金についてはこのタイミングで納税する必要があります。

 

納税の期限は確定申告書の提出期限と同じ2022年3月15日です。

 

銀行口座からの振替納税やクレジットカード、コンビニでの納付などいくつか方法がありますので、自分にあった方法で納税しましょう。振替納税を選択した場合は期限が1ヵ月ほど延長されます。

 

【市場の暴落に注意】納税資金の準備について

期限直前に保有している暗号資産を売却して納税資金を確保しようとすると、市場の大暴落で納税資金が用意できないといった事態になってしまうリスクがあるため、暗号資産取引で利益が出たら早めに納税資金を日本円で用意しておくことをおすすめします。

 

まとめ

今回は暗号資産の確定申告を行うにあたっての大まかな流れを説明しました。株式投資やFXと比較して煩雑な部分は利益額の計算ですが、現在ではGtaxのような損益計算ツールの普及により手間を大幅に削減できるようになってきています。

 

しかし、取引の状況によっては計算が複雑になり、最悪の場合自分では計算ができないケースも少なくありません。そうなった場合に税理士などの専門家に頼れるよう、利益額の計算を含め、確定申告の際は早めのタイミングで動き始めることをおすすめします。

 

 

沼澤 健人

株式会社Aerial Partners CEO

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