(※写真はイメージです/PIXTA)

「医師」といえば、高給取りの代表格とも言うべき職業です。ところが今後、医師の収入は減っていく一方と言われており、従来のように診療報酬に依存していては、今の収入レベルを維持できなくなる可能性があります。

稼げるか否かは、「キャリアプランの有無」が分かれ目

「貧困ドクター」と「資産家ドクター」の根本的な思考の違いは、おもに生涯にわたるキャリアプランの有無だと思います。

 

今までは具体的なキャリアプランなど考えなくても、ほとんどの医師は富裕層になれました。

 

一般的な医師のキャリアとしては、専門医となって大学の医局または市中病院に勤務。若手医師としてがむしゃらに働き、場合によってはその体力とスキルを武器に転職することもあるでしょう。医師免許さえあれば就職先はいくらでもあるので、複数回の転職は当たり前。そのたびに収入を上げることも難しくはありません。

 

そして40歳前後になると「医局を出るか」「転科をするか」「ゼネラリストになるか」「開業するか」といった選択に悩み、気づけば50歳前後。この時期になると医師としての選択肢はかなり狭くなります。がむしゃらに働くことはできなくなり、特に外科医の場合は加齢による目や腕の衰えで難易度の高いオペが難しくなってきます。

 

そのため、たとえ苦手であってもマネジメントや経営能力を求められるケースが多くなるのではないでしょうか。しかし、現在ならばこのとき「選択を誤った」と思っても、職を追われることはないので経済的な不安を覚えることはないでしょう。

 

ところが今後は多くの病院の経営状態は不安定になり、医師の数も余っていきます。そのためこれから医師が経済的な安定を維持するならば、今までのように既存のレールに乗るのではなく、自分オリジナルのキャリアプランを立てることが必須となります。

「今は忙しいから、後で考える」と言っていると…

しかしながら研修医の皆さんは、希望する専門医になることが目標になっており、その先のキャリアプランを深く考えていない人が多いのではないでしょうか。このような人は「今は忙しい。だからいずれ考えればいい」と思っているかもしれません。

 

しかし、ご存じのように皆さんは、この先もずっと忙しいのです。一般的な勤務医は朝8時には出勤し回診、外来診察、カンファレンス出席などを一日かけてこなします。これだけでも普通ならいっぱいいっぱいのはずですが、さらに患者家族へ治療方法の説明や電子カルテの入力などがあり、論文も書かなければなりません。外科なら手術もあります。どこにも空き時間はないはずです。

 

「ならば休日は?」というとアルバイト。やはりゆっくり考える時間などありません。要するに「考えよう」と思ったときに考えるしかないのです。

 

 

大山 一也

株式会社トライブ 代表取締役

 

※本連載は、大山一也氏の著書『研修医のための金融リテラシー講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

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