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貸出動向: 0.5%前後の小幅な伸びが継続
貸出残高
1月12日に発表された貸出・預金動向(速報)によると、昨年12月の銀行貸出(平均残高)の伸び率は前年比0.55%と前月(同0.51%)を若干上回った。伸び率の上昇は2ヵ月ぶりで、昨年半ば以降は前年比0.5%前後の小幅な伸びが続いている(図表1)。
引き続き、円安の進行による外貨建て貸出の円換算残高嵩上げが多少の押上げ要因となっている(図表3)。一方、企業収益の改善に伴ってキャッシュフローも回復したことで資金需要が一服したうえ、大企業を中心に一部でコロナ禍入り後に予備的に借り入れた資金の返済が進んでいることが重荷になっているとみられる(図表4)。
業態別に見た場合には、都銀の伸び率が前年比-1.14%(前月は-1.12%)と7カ月連続の前年割れかつ2カ月連続のマイナス幅拡大となった。
一方、地銀(第2地銀を含む)の伸び率は前年比2.02%(前月は1.92%)とプラスプラス幅を拡大している(図表2)。地銀では、相対的に資金需要が根強く残る中小企業向けが主力であるため、都銀に比べて堅調な伸びが続いている。