難航する「おひとりさま」の相続手続き…「独身者の相続」で重要な2つのポイント【弁護士が解説】

堅田勇気
難航する「おひとりさま」の相続手続き…「独身者の相続」で重要な2つのポイント【弁護士が解説】
(写真はイメージです/PIXTA)

近年増えている、生涯所帯をもたない「おひとりさま」。自身の相続の生前対策として、どのような手続きをとっておくべきなのでしょうか。 誰が相続人となるのか、また自分が認知症などで財産管理が出来なくなった場合の対処法について、相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説します。

2.財産管理・身の回りの世話をお願いする人を決める

後見制度を活用する

 

高齢になってくると、財産管理や施設入所や病院の手続きなどを一人で行うことが難しくなってきます。最近では、高齢者を狙った詐欺事件も多く、より一層財産管理に注意しなければならなくなりました。高齢になり、判断能力が不十分となると、後見制度を活用することになります。

 

後見制度には、任意後見制度と法定後見制度があります。

 

任意後見制度は、将来自分の判断能力が不十分になったときに備えて、予め、依頼する後見事務の内容を定め、自身にかわりその事務を行う人(任意後見人)を決めておく制度になります。

 

法定後見制度は、既に判断能力が不十分の方の保護のために後見人を選任する制度になります。

 

両制度の大きな違いは、任意後見制度では、任意後見人や後見事務を本人が決めることができますが、法定後見制度は、家庭裁判所が後見人を選任し、後見事務の内容は法律で定めるとおりになるという点になります。

 

そのため、自分の財産の管理方法や生活状況について、自分の意向を反映させたい場合は任意後見契約がお勧めです。

 

独身者財産管理については、判断能力が不十分となった時点で後見人(任意後見人)が介入するという後見制度では不十分な場合も多くあります。

 

そのため、例えば、判断能力はあるけれども、高齢のため、多額の財産の管理は心配だという場合は、財産管理委任契約を締結して、信頼できる親族又は専門家に財産の管理を依頼する契約を締結することもできます。

 

また、定期的に面談したり連絡をとったり、生活状況や健康状況の把握をしてもらうことで見守りをしてもらう、見守り契約を専門家との間で締結することも可能です。この見守り契約では、契約内容によっては緊急時の連絡先になってもらったり、トラブルへの対応などをしてもらうこともできます。

 

基本的に、本人の死亡により後見契約は終了するため、相続発生後の葬儀や後片付けなどの死後の事務を依頼する死後事務委任契約を、親戚や専門家との間で締結しておくことも可能です。

 

死後事務委任契約にて、どの葬儀社に依頼するか、葬儀の規模や読経をお願いするお寺などを決めておくことも可能です。

 

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本記事はAuthense遺言・遺産相続のブログ・コラムを転載したものです。

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