「格差の固定化防止」“富裕層の資産”を狙う税制改正は迫る…2022年「最新の資産防衛策」【税理士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

先日公表された令和4年度税制改正大綱では、住宅ローン控除の見直しが大きなニュースになりました。税制改正大綱は将来の税制改正の方向性を示すものであり、本文を読むと富裕層の資産を狙った税制改正の動きも見て取れます。この記事では、今後導入される可能性のある富裕層狙いの税制改正とそれに対する資産防衛策について、響き税理士法人の税理士・友野祐司氏が解説します。

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今後見込まれる、「富裕層の資産」狙いの税制改正

導入可能性のある税制改正

 

2021年(令和3年)12月10日に公表された令和4年度税制改正大綱において、今後導入可能性のある税制改正の方向性がいくつか示されました。そのうち、富裕層の方々に影響があると思われる項目は次のとおりです。

 

  • 金融所得課税の強化
  • 贈与税の暦年課税の廃止
  • 贈与税の非課税措置の縮減

 

以下、それぞれについて令和4年度税制改正大綱を引用しながら簡単に紹介します。

 

◆金融所得課税の強化

 

まずは金融所得課税の強化です。現行の税法では、上場株式の配当や売却益など、金融所得の税率が原則として一律20.315%である一方、給与所得や事業所得など、総合課税される所得の税率は最高で50.945%です。このため、課税所得が同じでも、給与として受け取った場合の税金と配当として受け取った場合の税金とでは大きな差があります。

 

この現行制度について税制改正大綱では、「高所得者層において、所得に占める金融所得等の割合が高いことにより、所得税負担率が低下する状況が見られるため、これを是正し、税負担の公平性を確保する観点から、金融所得に対する課税のあり方について検討する必要がある」と指摘しています(※p.9)

 

※ 出典:令和4年度税制改正大綱(https://www.jimin.jp/news/policy/202382.html)

 

現行法でも、一定の配当に対しては最高50.945%の税率が適用されますが、この最高税率が適用される配当の範囲が近い将来拡大する可能性も十分にあります

 

◆贈与税の暦年課税の廃止

 

次に贈与税の暦年贈与の廃止です。現行の贈与税には、年110万円の非課税枠があります。

 

この現行制度について税制改正大綱では、「高齢世代の資産が、適切な負担を伴うことなく世代を超えて引き継がれることとなれば、格差の固定化につながりかねない」と指摘しています。その上で、「格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める」としています(※p.11)

 

資産移転時期の選択に中立的な税制が構築されれば、たとえば贈与税の非課税枠が廃止されたり、生前に受けた贈与の全てに相続税が課税されたりすることが想定されます

響き税理士法人 マネージャー 税理士

税理士法人レガシィ勤務を経て2011年に響き税理士法人に入社。

相続税専門の税理士として、横浜を中心に相続税申告のサポートを行っています。
どこよりも素早い対応を心がけておりますので、少しでも相続税に関して、不安や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。

響き税理士法人https://www.hibiki-firm.com/

著者紹介

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