これまでにはない就職難に見舞われ、現在も貧困で苦しんでいる人が多いといわれる「ロスジェネ世代」。彼らが、本当に「ロスト」したものとは。みていきましょう。
就職難で苦しんだ「ロスジェネ世代」は、具体的に何を失ったのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

正社員になれなかった「ロスジェネ世代」これから正社員の道も遠く

――ロスジェネ世代も、9割は就職できているのだからいいのでは

 

このように考える人もいるかもしれませんが、有効求人倍率も低く、選択肢が限られていたこともあり、「就職できるなら仕方がない」と希望をしない職に就く人も多かったようです。

 

このように就職を決めたらどうなるのか……もちろん上手くいった人もいるでしょうが、途中で挫折する人も多かったことでしょう。転職を考えるも、正社員の採用は難しく、仕方なく非正社員を選ぶケースもありました。

 

雇用環境が良くなったときに正社員にという場合もありますが、20代、30代のときに非正社員としてのキャリアしかつめなかった人たちは、ゼネラリストとしての経験も、スペシャリストとしての経験も不十分なことが多く、転職が当たり前のいまでも、転職難という状況に陥っているのです。

 

こうして「失ったまま」のロスジェネ世代。厚生労働省『令和2年度賃金構造基本調査』によると、大卒男性会社員の場合、20代前半の正社員の年収は335万3,800万円、非正社員は267万0,600円。その差は年間68万3,200円です。仮に65歳までの間、一方は正社員であり続け、一方は非正社員であり続けたとすると、最も年収差がつくのは50代前半で476万円、生涯給与では1億1,700万円ほどの差になります。

 

【大卒男性会社員「正社員」と「非正社員」の給与格差の推移】

「20~24歳」 68万3,200円

「25~29歳」 91万4,600円

「30~34歳」 181万8,200円

「35~39歳」 257万2,500円

「40~44歳」 302万6,500円

「45~49歳」 388万5,500円

「50~54歳」 476万9,300円

「55~59歳」 428万2,100円

「60~64歳」 185万9,100円

 

出所:厚生労働省『令和2年度賃金構造基本調査』より作成

 

すべてのロスジェネ世代の人がそうだとはいえません。40代で大成功もおさめている人はごまんといるので、一概にはいえませんが、ロスジェネ世代は「1億円を失った世代」といいかえることができるでしょう。

 

そんな彼らがこれから浮上するのは、キャリア的に難しいといわざるを得ません。「せめて現役引退後には……」と夢みて、コツコツと、できる範囲で、資産形成を続けていくことが、唯一の方法かもしれません。