高収入の代名詞といえる「テレビ業界」。インターネットの台頭で以前ほどの勢いはありませんが、それでも影響力は絶大です。そんなテレビ業界で働く会社員の給与事情とは? みていきましょう。
「在京キー局5社」の平均給与…凋落の一途を辿る「テレビ業界」高収入の現在地 (※写真はイメージです/PIXTA)

【関連記事】「メガバンク」3行の平均給与…エリートの代名詞、さすがの給与額

テレビ視聴時間減少の一途…若者はネット閲覧時間が上回る

2021年も終わりに近づき、テレビでは特番が多くなってきました。しかし「最近はテレビ観てないなあ」という声も聞きます。

 

総務省『情報通信白書』によると、2000年から2015年の平日1日当たりのテレビ視聴時間はゆるやかな減少傾向にあり、特に10~20代で減少が著しいとしています。それに対し、60代以上は横ばいだとか。「最近のテレビは高齢者向けばかり」と揶揄されても、仕方がないことかもしれません。

 

テレビにとってかわったのがインターネット。「1日ダラダラと動画ばかり観てしまう」といっている若者の声を聞いたことがあるでしょう。

 

そんな時代の変化のなかで、テレビは最新の情報を得るツールとはいえなくなりましたが、情報を大衆化するツールとしては絶大です。

 

テレビ放送の歴史を紐解いていくと、高柳健次郎が世界で初めてブラウン管での映像の表示に成功したのは1926年のこと。そのとき映し出されたのは「イ」の文字だったそう。

 

「NHK」が日本で初めてテレビ公開実験を行ったのは1939年のこと。シャープから国産第1号の白黒テレビが発売されたのは1953年。この年の2月にNHKが本放送を開始。同年8月には「日本テレビ」が初の民放としてテレビ放送を開始します。1955年には「TBS」*、1959年には「フジテレビ」と「テレビ朝日」**、1964年には「テレビ東京」***が開局します。

 

*前身となる「ラジオ東京テレビ」が開局

**前身となる「日本教育テレビ」が開局

***前身となる「日本科学技術振興財団テレビ局」が開局

 

テレビ放送が始まり70年ほど。いろいろなシーンを映し出し、家族の中心にテレビがあった時代を経て、いまや個々が思い思いにテレビを視聴する時代となりました。

 

以前は視聴率30%を記録するテレビ番組もあり、放送の次の日の職場や学校では、その番組の話がまずはされる、というのが定番でもありました。

 

ちなみに昨年の視聴率1位(関東・番組平均世帯視聴率)はNHKの『紅白歌合戦』で40.3%。民放ではTBS系ドラマ『半沢直樹』最終回が32.7%を記録しています。

 

以前のように元気のないテレビ業界では、最近、動画配信に力を入れています。各局が独自で動画配信サービスを提供する一方で、に在京5社で共同運営する見逃し配信サイト「TVer」も展開。また放送法改正によってテレビとネットの同時配信が可能になったため、NHKをはじめ、各局ともネット配信に積極的な姿勢をみせています。

 

そんなテレビ局。在京キー局の売上をみていくと、トップは「フジテレビ」。「日本テレビ」「TBS」「テレビ朝日」「テレビ東京」と続きます。

 

【在京キー局の売上】

「フジ・メディア・HD」5,199億円

「日本テレビHD」3,913億円

「TBSHD」3,256億円

「テレビ朝日HD」2,645億円

「テレビ東京HD」1,390億円

 

どの局も広告収入が減少するなか、“テレビ以外”に活路を見出そうとしています。たとえば「フジ・メディア・HD」は、都市開発分野への投資を積極的に展開していますし、「TBSHD」の不動産事業も顕著です。むしろこの2局は、テレビでは利益ほとんどだせていないという状況。一方で「日本テレビHD」のテレビ関連の業績は好調です。