ケアマネ試験の合格率は20%以下の現実
では、ケアマネになるには、どれほど大変なのか。いちばん多い介護福祉士からケアマネになった人がたどるプロセスはつぎのようなものです。
介護福祉士国家試験の受験資格を得るには、福祉系の高校、大学、短大、専門学校を卒業するか、介護施設などで3年以上の実務経験を積むことが必要になります。学校も卒業まで2~4年を要しますから、受験資格を得るまでだいたい3年はかかることになります。
介護福祉士国家試験の合格率は約70%なので、さほど難関とはいえませんが、それでも勉強は必要ですし、晴れて介護福祉士になっても、ケアマネ試験の受験資格を得るには5年以上の実務経験が必要です。
しかもケアマネ試験は難関。2019年に行なわれた試験の合格率は18.6%でした。さらに試験は年1回ですから、何年にもわたって受験し、落ちつづける人も少なくないといいます。
つまり、ケアマネを志しても、なるまでに最短で約8年、長ければ10数年かかるのです。
ケアマネの6割を占める介護福祉士出身者はもちろんのこと、残る4割の看護師、社会福祉士、精神保健福祉士も同様のキャリアを経ていますから、ストレートでいっても30歳前後、遅い人になると40歳近くになって始める仕事なのです。
相沢 光一
フリーライター