(※写真はイメージです/PIXTA)

現在、資産運用の一手法として、「アパート投資」に注目する投資家が増加しています。本記事では、アパート経営で実際どの程度の利益を得られるのか、事例をもとにシミュレーションしていきます。

 

これを踏まえ、Aさんは以下のようなローン返済プランを持って、銀行に融資の相談にいくことにしました。

 

ローン返済プラン年数:25年間

金利:3.0%(全期間)

月返済額:37万9,369円

自己資金:3,000万円

 

※編集部にて作成
[図表]ローン返済シミュレーション ※編集部にて作成

 

上記の例においてAさんは、年間840万円の収入に対して、経費として138万円、銀行へのローン返済元利金として約456万円を支払うこととなり、手元に残るお金は単純計算で246万円となります。

 

しかし気を付けなければならない点があります。それは、

 

(1)賃料収入は空室の発生や経年劣化により減ること

(2)経費は思わぬ修繕費等の発生により増えること

(3)金利は将来的には上昇する可能性があること(=支払い金利が増える)

 

上記の3つです。これらのリスクに対して、適切な対応と準備をしておく必要があります。

投資初心者が知っておくべき「アパート経営」のリスク

Aさんは今回「実質利回り」に注目して返済プランを考えました。プラン通りの返済を続けるためには、経営上のリスクを知っておく必要があるでしょう。

 

①経年劣化による家賃の下落リスク

新築アパートは「新築プレミア価格」として、相場より高い家賃設定をするオーナーが少なくありません。しかし、新築でなくなったとき、当初の家賃収入を継続して得られる物件は少ないでしょう。そのため、最初の家賃設定が適切かどうか、また、中古物件の場合は間取りや設備が入居者ニーズに沿った物件かどうか確認しておく必要があるでしょう。

 

一般的に新築物件の家賃は10年で約30%下落するといわれています。それを想定して、返済プランを考えることが重要です。

 

②修繕リスク

予想外の出費が発生すると、ローンの返済に支障が出ることが考えられます。そのため、物件購入時から、経年による建物の老朽化や設備の故障を意識しておく必要があります。また、入居者の入れ替えによる壁紙やフローリングの張り替えも、忘れずに計上しておきましょう。

 

一般的に銀行ローンは、賃料収入が減ったからといってローン返済額を減らせるものではありません。従って、可能な限り不測の事態に備えて現金をプールしておくことが重要です。

 

上記のほかにも災害リスクや市場環境の変化リスク、金利上昇リスクなど、多くのリスクが存在するアパート経営。成功のカギは事前の調査と返済プランの策定、不測の事態に備えた資金の管理プランが握っているといえるでしょう。不安な点があれば、不動産会社や銀行の融資担当者など、専門家に相談することも検討してみてください。

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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