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「10人に4人が非正規社員」…増え続ける背景
1990年代以降、非正規社員比率がほぼ一貫して、2019年まで上昇した。同比率(男女合計した全体)は84年には15.3%だったが、19年には38.3%である。つまり、10人中ほぼ4人は非正規社員である。
[図表1]は、非正規社員比率が大きく上昇した期間は、1992年から2007年であることを示している。この期間に、男性の非正規社員比率は約106%(約2倍)も上昇した。
この期間は、バブルが崩壊し、まず新卒の就職難が始まり、97年頃からデフレがはっきりしてくると、それまで景気が悪化しても雇用が守られていた正規社員のリストラ(希望退職の募集・解雇)が始まった期間に相当する。
男性正規社員数はバブル崩壊後も96年頃までは増加していたが、05年の対97年比は10.7%も減少した。まとめると、92年から07年にかけての非正規社員比率の上昇は、デフレによる雇用市場の悪化の結果である。
なお、2013年から19年にかけて、男性の非正規社員比率が08年から12年にかけてよりもかなり大きく上昇しているのは、この期間に雇用市場が改善したため、65歳以上の雇用者が、19年には12年と比較して65%も増加したためである。
この増加により、19年の65歳以上の雇用者が全体に占める割合は、12年よりも4.2ポイント上昇し、11%になった。彼らの73%(19年時点)は非正規社員であるから、彼らの雇用市場への参入がこの期間の非正規社員比率を引き上げた主因である。