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申告漏れが深刻に…追徴税額の総額は「732億円」
令和2事務年度に国税庁が行った所得税の調査等において、違法性があるものは27万9,000件。申告漏れ所得金額の合計は5,577億円で、1件当たり、1,480万円です。追徴税額は732億円にものぼり、1件当たり275万円となっています。
さらに、国税庁が富裕層に実地調査※を実施したところ、富裕層の申告漏れ金額の総額は487億円(前年度789億円)で1件当たり、2,259万円(前年度1,767万円)となりました。
※高額・悪質な不正計算をしていると見込まれるものを詳しく調べること
また、それに対する追徴税額の総額は117億円(前年度259億円)で、1件当たり543万円(前年度581万円)です。
そして、富裕層の1人当たりの申告漏れ金額は、全体の1.5倍、1件当たりの追徴税額は2.0倍となっています[図表1]。
富裕層に限らず「海外投資を行う投資家」を見てみると
令和元事務年度と同様に、国税庁は経済のグローバル化に対応するため、海外投資の情報収集に努めています。また、海外投資を行う個人投資家や海外資産を保有している個人などに対して、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約等に基づく情報交換制度のほか、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)などを活用し、積極的に調査を実施しています。
国税庁は令和元事務年度に、海外投資を行う投資家や資産を持つ個人を対象にして、2,172件(前年度3,942件)実地調査を実施しました。
結果、「海外投資を行う投資家」の1件当たりの申告漏れ金額は、2,239万円(前年度2,406万円)。1件当たりの追徴税額は527万円(前年度627万円)となりました。
また、「海外投資等を行っている富裕層」の1件当たりの申告漏れ金額は、2,904万円(前年度4,393万円)。1件当たりの追徴税額は879万円(前年度1,571万円)と、かなりの額が申告漏れしています。
また、富裕層に限らず「海外投資を行う投資家」の投資先は、下記のような分類で分けられています。
「役務提供」:工事請負、プログラム設計など海外において⾏う、労⼒、技術等の第三者に対するサービスの提供をいう。
「海外投資」:海外の不動産、証券などに対する投資(預貯⾦等の海外での蓄財を含む。)をいう。
「その他」:海外で⽀払を受ける給与など、1〜3に該当しない取引等をいう。
それぞれの件数と1件当たりの申告漏れ所得⾦額は、輸出入が140件で1,123万円、役務提供が135件で2,059万円、海外投資が946件で2,579万円となっています。
昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けて実地調査の件数は大きく減少しました。しかし、⾼額・悪質な不正計算が⾒込まれる事案を優先して調査し、1件当たりの追徴税額は増加しています。
今後、新型コロナウイルス感染症の影響は少なくなると思いますが、それでも何があるかわからない以上、資産の申告漏れ対策の多様化が求められます。
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