(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

 

●衆院選では与党が連立政権を維持するか野党が勢力を伸ばして政権交代を実現するかが焦点。

●与党が議席数3分の2確保なら株高・円安、議席数の減少につれ株安・円高に振れやすくなろう。

●与党勝利なら岸田首相への市場評価の変化に注目、ただ選挙結果の賞味期限は3ヵ月程度か。

衆院選では与党が連立政権を維持するか野党が勢力を伸ばして政権交代を実現するかが焦点

第49回衆議院議員総選挙が10月19日に公示され、10月31日の投開票に向けて12日間の選挙戦に入りました。小選挙区289、比例代表176の総定数465議席を巡る争いとなりますが、野党の候補一本化により、小選挙区の5割ほどが一騎打ちに近い「与野党対決型」となります。今回は、自由民主党(以下、自民党)と公明党が連立政権を維持するのか、野党が勢力を伸ばして政権交代を実現するのかが、焦点となります。

 

なお、衆議院解散時の議席数は、自民党276、立憲民主党110、公明党29、日本共産党12、日本維新の会10、国民民主党8などであり、自民、公明両党の議席数は305でした。選挙の結果、これらの議席数がどのように変化するかが注目されますが、今回のレポートでは、想定され得る選挙結果をいくつかのシナリオに分け、相場がどのように反応するかを考えてみます【図表】。

 

(出所)各種資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成
【図表】想定され得る衆院選の結果と相場の反応 (出所)各種資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

与党が議席数3分の2確保なら株高・円安、議席数の減少につれ株安・円高に振れやすくなろう

まず、①与党が「3分の2」の310議席を確保した場合、長期政権への期待から、株高・円安に振れやすくなると思われます。次に、②与党が「絶対安定多数」の261議席や、「安定多数」の244議席まで議席数を減らした場合は、自民党の議席数が焦点になります。自民党が大幅に議席数を減らし、政権安定への懸念が強まれば、相場は株安・円高に振れやすくなると考えられます。

 

③与党の議席が「過半数」の233議席を失った場合、野党も過半数未達なら、連立を模索する展開となります。また、野党が過半数をとれば、政権交代となりますが、参議院は自民、公明両党が多数党ですので、ねじれ国会となります。いずれも政局の不透明感から、相場は最も株安・円高に傾くことが予想されます。ただ、野党勝利でも安定した政策運営を見通すことができれば、株安・円高は一時的となる可能性が高まります。

与党勝利なら岸田首相への市場評価の変化に注目、ただ選挙結果の賞味期限は3ヵ月程度か

ここで、改めて岸田首相の政策方針を確認すると、金融所得課税の見直しを先送りしたものの、分配重視の姿勢は変わらず、また、10月18日には、今の非常時での政策における財源は国債を思い切って使うべきだと述べています。岸田氏が新総裁に選出されてから昨日までの市場の動きをみると、ドル円は米長期金利の上昇などでドル高・円安が進んでいますが、日経平均株価は1.1%程度下落しています。

 

今のところ、岸田首相の政策に対する市場の評価は定まっていないように思われますが、衆院選で与党勝利となった場合、この評価がどのように変化するかは要注目です。なお、前回2017年10月22日の衆院選では与党が圧勝し、日経平均株価は大きく上昇しましたが、翌年1月23日に高値をつけた後、米長期金利の上昇などを嫌気し、2月9日には選挙前の水準に戻りました。今回も選挙結果の賞味期限は3ヵ月程度が目安と考えます。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2021年10月衆議院総選挙~シナリオ別に考える相場の反応』を参照)。

 

(2021年10月20日)

 

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフマーケットストラテジスト

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