就職氷河期世代を巡る問題は多い。既に顕在化している経済的問題と、生活が厳しいなかで「親の介護」が始まるという近い未来の問題。そしてさらに時が進めば、「自身の高齢化」へとシフトしていく。一体、どれほどの問題に直面するのか…。日本総合研究所・主任研究員の下田裕介氏が指摘していく。 ※本記事は、書籍『就職氷河期世代の行く先』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。
退職金や年金は減る一方…「就職氷河期世代」の老後に迫りくる困難 (※写真はイメージです/PIXTA)

人口減少で「支える世代も少ない」現実

高齢の就職氷河期世代を支えることに関して、よりマクロの視点からみてみよう。就職氷河期世代を支える足許の現役世代の人口は少なく、将来世代も人口ボリュームがますます細っていく。この点から考えても問題はより深刻である。

 

現役世代が高齢者や年少者をどの程度支えているかを比率で表す従属人口指数は、40%強だった1990年代前半以降上昇が続き、足許は70%弱まで高まっている([図表2])。

 

資料:総務省「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」を基に日本総合研究所作成 注1:従属人口指数=(年少人口+老齢人口)/生産年齢人口×100 注2:将来の人口推計は出生中位・死亡中位。
[図表2]従属人口指数 資料:総務省「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」を基に日本総合研究所作成
注1:従属人口指数=(年少人口+老齢人口)/生産年齢人口×100
注2:将来の人口推計は出生中位・死亡中位。

 

つまり、かつては、10人の現役世代が4人の子ども・高齢者を支えていたが、それがいまは、10人の現役世代で7人の子ども・高齢者を支えなければならない状況に変わったということだ。

 

そして、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」などを基に先行きを見通すと、就職氷河期世代の年長者である団塊ジュニア世代の、65歳の老齢人口入りが迫る2030年代半ば頃から、従属人口指数は上昇ペースが加速し、2050年代にかけてピークを迎えると見込まれている。

 

こうした状況下、就職氷河期世代は将来の備えが脆弱なため、自身が老後を迎えた際には経済的に立ち行かなくなり、高齢貧困に陥る恐れがある。先述した親の介護による負担増が加われば、その可能性はさらに高まることになる。

 

そして、就職氷河期世代の貧困問題は、生活保護の増加などを通じて、わが国の社会保障や財政の面にも大きな影響を与えかねないのだ。

 

 

下田 裕介

株式会社日本総合研究所 調査部 主任研究員