就職氷河期世代の行く先
下田 裕介
出版社名:日本経済新聞出版
発行年月:2020年11月
「30万人の正式雇用を目指す」――政府の重点課題に盛り込まれた就職氷河期問題。
コロナ禍の影響もあり、この目標が実現する気配はまったくない。
「失われた20年」の泥をかぶった彼らの問題はいまだ解決していないばかりか、将来的には111万人もの生活不安定者を生み、8兆円の生活保護費追加が必要になるなど、当事者やその家族だけの問題ではない、日本社会の大きな懸案の1つとなっている。
また足元では、コロナ禍による企業の採用見送りが、新たな不遇の世代を生みだすのではないかという、懸念の声も高い。
氷河期世代が置かれた現状を分析したうえで、あるべき支援・取り組みについて提言し、また、20年前と同じ過ちを繰り返さないためにどのような雇用のしくみ、セーフティネットをもうけるべきかなど、「不遇の世代」を生み出さないための社会のあり方について考える。