※画像はイメージです/PIXTA

コロナ禍のニュージーランドでは、永住権の取得条件を大幅に緩和する政策が打ち出され、大きな話題となっています。今後はさらなる住宅需要の高まりで、不動産業界はさらに活況になると予想されます。オークランド在住で不動産会社を経営する筆者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。

オークランドとワイカト地域の一部は「レベル3」継続

日本は緊急事態宣言が解除され、飲食店のアルコールの提供時間が延長されたというニュースが届きましたが、筆者が暮らしているオークランドでは、まだ飲食店の営業は戻っていません。オークランドとワイカト地域の一部以外はレベル2なので、営業はまだ条件付きです。

 

ワイカト地方で感染者が発覚したときには、急遽、一部の地域限定で警戒レベルが「2」から「3」へと引き上げられました。当日のお昼に決定され、当日の夜中に発令さたので、自宅と勤務先の間に境界線がある人の場合は、翌日から通勤できない、あるいは出張先から戻れないといった事態も発生しました。

 

オークランドでは、10月6日水曜日から「レベル2」への引き下げを期待していましたが、感染者の数が10名台から20名~40名台へと日々前後していたため「引き続きレベル3を維持する」と発表されました。ただし、外で2家族10名までならピクニックなども可能とするなど、少し条件は緩んでいます。1週間ごとに状況を見ながら、商店の営業や、飲食店・美容室の営業開始も認める方向とし、周囲の状況をよく確認しつつ、警戒レベルを引き下げる方向へとシフトしています。

ファーストホームバイヤー、高額物件を躊躇なく契約

現在、不動産業界は、1日2組の案内のみ物件内覧が可能です。私たちセールスマンは、内覧後、消毒清掃を行うという重責を背負っています。空き家で売られている物件はまだ気が楽なのですが、誰かが住んでいる家の内覧は、家主から、断られることもあります。

 

細心の注意を払いながらの消毒作業が必要で、10月に入ってからの、クリスマス前の繁忙期でのこの状況は、正直、非常にこたえています。しかし、相変わらず不動産業界は活況で、顧客たちの購買力は高いままです。オンラインのオークションでも、あるいはそうでなくても、新規開発物件等で売り手と買い手双方の条件が合えば、速攻で契約交換をされる方も珍しくなく、本当に驚きです。

 

多くの物件価格は90万NZドル前後、日本円で約7,000万円です。それを30代、40代のファーストホームバイヤーが、躊躇せずに契約していきます。そのような顧客を見るにつけ「本当に不思議な国だ…」と思わずにいられません。

 

予算は100万NZドル~最大130万NZドルある。しかし、希望する地域は150万NZドル以上…。このギャップを埋めるため、私たちは苦戦をしています。数年前までは、100万NZドルあれば、素敵な家が買えたのです。しかし、この数年で様変わりしてしまい、日本円で1億円の予算があったとしても、希望の家が買えないという状況です。

 

もし、NZに不動産物件をお持ちの読者の方が売却を希望されているなら、いまも売り時ではありますが、2022年後半から2023年にかけてマーケットに出すのがお得だと思います。なにか課題のある家、たとえば、内装が古く予算をかけて工事する必要がある等、欠陥がある家の場合はなおさらです。

 

永住権保持者の数が増加する時期になれば、売り物件数が不足します。値を下げなければ売れないと思われていた「訳アリ」の家でも「自分で修理するから売ってほしい」という希望が出ることは、十分考えられるでしょう。

 

現在も、人口と住宅供給にアンバランスが生じているため、同様のことがいえますが、来年から2023年は、さらにその傾向が強まるということです。

 

家もない、永住権もない…そんな方は、中古物件の購入は無理でも、商業用物件、新築物件で外国人枠が取れているアパートメントを中心にした集合住宅であれば、いまでも購入可能です。ただし金額は、50万~60万NZドルでは難しく、最低でも、90万NZドルからになると思われますので、検討してみてください。

 

コロナ禍でも国民の安全を追求し、あらゆる政策を打ち出すNZ政府。自然豊かなNZの不動産投資をきっかけに、安定的な資産運営ができるチャンスも広がります。そして、永住権取得も、叶わぬ夢ではないのです。

 

 

一色良子
ニュージーランド在住不動産エージェント

 

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