子どもの「本番力」はスポーツで磨かれる
いつもの練習どおりに本番でもしっかりできる子がいます。練習ではうまくできていたのに、本番では実力を発揮せずに終わってしまう子もいます。スポーツ教室を運営する著者は、どちらの子どももたくさん見てきました。多くの子どもは、最初は後者に含まれます。
いきなり本番で結果を出せる子はなかなかいません。たくさんの人に見られて緊張してしまう、想定外のことが起きて動揺してしまう、試合の当日に体調を崩してしまうなど理由はさまざまですが、親としては、せっかくなら本番に強い子どもに育てたいと願い、あれこれ手を尽くしていることかと思います。
そんな教育熱心な親御さんにこそ伝えたいことがあります。それは「スポーツの経験を積めば、本番力は着実に身につく」ということです。というのも、本番力を身につけるためには、本番の舞台(またはそれに近い状況)に慣れてしまうのが近道だからです。そして、スポーツにはそういった本番に慣れる機会が多く存在します。
例えば少年野球では、子どもたちは1~2カ月に一度開催されるトーナメント方式の大会を勝ち進めるよう、平日のチーム練習や週末の練習試合に取り組みます。この場合、本番には大会が当てはまりますが、チーム練習や練習試合の環境が本番とかけ離れているかというと、そうではありません。チームを代表して本番の舞台に立つ(大会に出場する)ためには、練習試合で活躍し、大会メンバーに選ばれなくてはなりません。
また同じように、練習試合に出場するためには、日々のチーム練習で監督・コーチに認められる必要があります。よほど実力が飛びぬけていてレギュラーが確約されている子を除き、多くの子どもたちにとっては、練習も練習試合も「結果を出したい」という意味では等しく本番といえるのです。
つまり、数カ月に一度の大会だけでなく、平日の練習や週末の練習試合に取り組むことでも、本番力が身につくことになります。逆に、日頃からスポーツに取り組んでいて、そでも本番で練習どおりの力が発揮できない子は、日々の練習や練習試合を「本番につながる舞台」だと理解できていないことが考えられます。
これは意識・認識の問題なので、周囲の大人が練習・練習試合のもつ意味合いをきちんと説明すれば、子どもはそうした日々の活動から本番に慣れることができるのです。
「壁を突破するヒント」を与えてくれる存在の重要性
スポーツによるメリットはほかにもあります。自分が思ったような成果が出ない、やり方は間違っていないのにうまくいかないなどの壁にぶつかったとき、それを突破するヒントを与えてくれる仲間や指導者が身近にいることです。
同じスポーツで同じような道を歩いてきた彼らは、同じような失敗をしながらも、たくさんの本番を乗り越えてきた先輩です。技術面だけでなく、心の持ち方についても自らの経験に基づいてアドバイスができるので、子どもたちは成功や達成を積み重ねながら、本番に自信をもって臨めるようになるのです。
子どもはスポンジのようなもので、その吸収力は大人の想像をはるかに超えていきます。もちろん成長スピードに個々の違いはありますが、知識・技術は伝えれば伝えるだけ、面白いほど伸びていきます。その成長に比例するように、本番力もさらに高めることができるのです。
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