洗練されたビジネス英語メールについて、ビジネス英語研修会社Q-Leap代表取締役社長・浅場眞紀子氏が解説。 ※本記事は、書籍『英文Eメールハンドブック』(アルク)より一部を抜粋、再編集したものです。
氏名の後ろに「san」もアリ?英文ビジネスメール術『宛名の書き方』 (※写真はイメージです/PIXTA)

「相手の氏名・性別がわかっているとき」使える宛名

では、Paul Adamsという人物にメールを出す場合について、宛名として使えるものと使えないものとを考えてみましょう。あなたはいくつ考えることができますか?

 

Paul Adamsのように、英語圏では一般的に男性名であり、Paulが名前(ファーストネーム)でAdamsが苗字(ラストネーム)であることが分かっている場合は決めやすいはずです。Dear Paulのように、「呼び掛け」の言葉や挨拶と「相手の名(氏名/苗字のみ/名前のみ)」とを組み合わせた宛名を用いるのが一般的です。

 

A)カジュアル~一般的な呼び掛け

 

相手との関係性やメールの内容に応じて、次のような「挨拶(salutation)」を用います。

 

Hi~:最もカジュアルで一般的な呼び掛けです。

 

Hello~:カジュアルで一般的な呼び掛けです。

 

Dear~:ややあらたまった印象で親しみを込めた呼び掛けです。

 

To~:事務的な呼び掛けです。

 

B)敬称

 

丁寧な呼び掛けが必要な場合は、相手の苗字(または氏名)の前に「敬称」を付けます。代表的な敬称には次のようなものがあります。

 

Mr.~:男性一般に使います。

 

Mrs.~:既婚の女性に使います。

 

Ms.~:(既婚未婚にかかわらず)女性に使います。現在では既婚女性でもMrs.よりこちらの方が一般的です。

 

Dr.~:医師や博士に使います。

 

Sir~:爵位のある人に使います。

 

Paul Adamsのように判断しやすい名前の場合は、およそ以下のようにルール化できます。

 

【「相手の氏名・性別が分かっている場合」の宛名ルール】

 

▲基本的に苗字には敬称を付けるのが礼儀

 

▲苗字がなく名前のみの場合には敬称不要

 

▲挨拶(Salutation)の後ろは「敬称+苗字(または氏名)」または「名前のみ」

 

▲敬称も挨拶もない場合、名前のみは可能

 

 

これらのルールを踏まえて、先ほどのPaul Adamsを例に、宛名として使えるもの、使えないものをまとめると[図表]のようになります。

 

[図表]宛名として使えるもの・使えないもの