洗練されたビジネス英語メールについて、ビジネス英語研修会社Q-Leap代表取締役社長・浅場眞紀子氏が解説。 ※本記事は、書籍『英文Eメールハンドブック』(アルク)より一部を抜粋、再編集したものです。
接続詞は1文に2つ使える?英文作成のチェックポイント (※写真はイメージです/PIXTA)

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英文メールを書き終えたら…「最終チェックポイント」

「書いてはみたものの、自分の英文や表現が正しいのか判断できない」「書いたことが読み手に伝わるか不安だ」というときには、以下の項目を確認してみましょう。

 

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①1文はなるべく10語以内、文全体は短く、を意識していますか?

 

長過ぎる文は読みにくく、焦点が定まらない。冗長な文やメールは書き手自身にも内容や表現をチェックするのに時間がかかる上、読み手にも要点が伝わりにくくなるので避ける。接続詞の使い過ぎにも注意。

 

②文頭の5語程度を読んで意味が伝わる文になっていますか?

 

文頭5語程度の中に、主語・述語・(目的語、補語)などの重要な情報が収まっているか。文の中での主語・動詞・目的語の関係が正しく、中心となるメッセージは明瞭か。

 

③複合名詞や分詞の修飾などを用いて簡潔な表現になっていますか?

 

前置詞を使い過ぎていないか。前置詞でつないだ長い表現を多用していないか。

 

④メール全体は簡潔ですか? 3パラグラフ程度に抑えられていますか?

 

余計な前置きがないか。結論が最初に書かれているか。「メインメッセージ」「背景」「理由」「条件」など、要素ごとに適切なパラグラフ分けがされ、読み手が一度に読まなければならない分量が抑えられているか。

 

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上の①~④に従い、次の例をチェックしてみましょう。

 

(学習者の方が実際に書いたメールからの抜粋なので不正確な表現を含みます)

 

The schedule of our project is really tight and we have a margin of three days at maximum, and we need to make sure that the things as shown below are handled immediately.〈33語〉

 

(われわれのプロジェクトのスケジュールはかなり厳しく、最長で3日しか予備日がないため、以下に示すことが可及的速やかに実行されるようにする必要があります)

 

意味はほぼ通じますが、1文が33語というのはどう考えても長過ぎます。思い付くままに書くと、このように接続詞でどんどんつないだとりとめのない文になりがちです。書く前に伝えたいことをきちんと整理しましょう。

 

 

The schedule of our project is really tight (and) we have a margin of three days at maximum, /(and) we need to make sure (that) the things as shown below are handled immediately.

 

(われわれのプロジェクトのスケジュールはかなり厳しい 最長で3日しか予備日がない 確実にする必要があります 以下に示すことが可及的速やかに実行されるように)

 

接続詞は1文に2つ以上入れることはできません。ここではandが2つ使われているので、文を区切り、どちらかを削除する必要があります。さらに関係代名詞も使われているので冗長さが増しています。スラッシュ(/)の場所で切り、文を再構築しましょう。

 

↓【再構築】

 

The schedule of our project is really tight and we have a margin of three days at maximum.〈18 語〉 We need to make sure that the things as shown below are handled immediately.〈14語〉

 

(われわれのプロジェクトのスケジュールはかなり厳しく、最長で3日しか予備日がありません。以下に示すことが可及的速やかに実行されるようにする必要があります)

 

接続詞を1つ削除し、再構築しました。

 

各文の文頭5~7語にあるSVO/SVC(下線部)で意味が取れるか確認してみましょう。

 

●The schedule of our project(われわれのプロジェクトのスケジュール)

 

●We have a margin of(われわれには〜の余地がある)

 

●We need to make sure(確実にする必要がある)

 

●the things as shown below(下に示されている内容)

 

これだけでは何の話なのか伝わりません。特に後半の2文は文の最初が冗長で、核となる内容が文の後半に来る構造になっているので、簡潔さ、明瞭さに欠けます。英語話者は文の最初に注力して読んだり聞いたりする傾向にあるので、前半が冗長だと読み手の集中力を維持しにくくなります。文頭5語程度で言いたいことが伝わるよう書き換えます。

 

↓【書き換え】

 

Our project has only a three-day margin.〈7語〉Therefore, please do the following.〈5語〉

 

(われわれのプロジェクトには3日間の予備日しかありません。従って、以下の点について速やかに行動してください)