それでも「解約したい」と言われた時の切り返し法
しかし、それでもやっぱり解約したいと言われてしまうことはあります。ここからは営業マンが実際に解約を切り出された時にどう切り返したらよいか、具体的なフレーズをお教えしていきます。
まずは、自分とお客様との関係性が濃いのか薄いのか、そして解約の意志が固いのか、変なネットの記事を見て一瞬魔が差しているくらいなのか、その違いで営業マンがどう切り返していくべきかが変わってきます。
まずはお客様との関係性が濃いが、魔が差して解約したいと言ってくるパターン。友達に変なことを吹き込まれて気が迷ってしまって、「やっぱりやめる」と言ってきたような場合です。
これにどう返すかというと、「まあ~た、そんな冷たいこと言う~」がいい。これは、先ほども言ったようにお客様との関係性が濃いということが前提になります。
関係性が濃いので、お互いの人間性もある程度分かっている。その、人間性が分かっている人から「そんな冷たいこと言わないで」ということをやんわりと伝えるのです。
これが経験上、一番止まります。「まぁ〜た、そんな冷たいこと言う~」と言われると、お客様は「あ、俺冷たいこと言ってるのかな?」という気持ちになるわけです。
そこから「何があったんですか?」と解きほぐしながら、解約をしない方向へと一緒に進めていきましょう。
センスのない営業マンは、「いやいや、それは困ります」「解約しないでください」「勘弁してください、このまま続けたほうがいいです」と、かくかくしかじかとゴリゴリに止めにいってしまうんですけど、それは逆効果。
お客様との関係が濃くなく、解約の意志も固い時の切り返し法
次に、お客様との関係が濃くなく、解約の意志も固い場合ですが、実際はこのパターンが一番多いと思います。
「もう絶対に解約するんで」「解約したいです」と、お客様の意志も固そうだと。こうなった時に営業マンはどんな切り返しをすればいいかというと、まずは「解約ですね、分かりました」と受け止めましょう。
そして、実際に会いに行って、解約を止めるために改めて引きの営業から入るのです。具体的には、実際に解約用紙を持っていき、お客様に見せてしまいます。
「解約用紙を持ってきたので、見てください。こうこうこうで、最後にお客様の名前を書けば、解約になります」と、解約までの道筋を先にお客様に理解させてしまうわけです。
そして解約の手順を説明して安心させてから、「ただ、名前を書く前に、一点だけ申し上げてもいいですか?」と、ここで解約を思い止まらせるセールストークにもっていきます。
先ほども言いましたが「絶対にやめないでください」とオフェンススタイルでゴリゴリに止めに行くのは逆効果です。フランクにいけないお客様で、かつ解約の意志が固い時は、絶対に引きの営業から入らないといけません。
先に解約までの道筋を見せて、安心させてからでないと、まず解約を思い止まらせるのは難しいでしょう。
宋 世羅
元野村證券YouTuber