営業には、押しの営業と引きの営業という二つのスタイルがあります。本記事では、元野村證券でYouTuberの宋世羅(そんせら)氏の著書『ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則』(飛鳥新社)より一部抜粋・編集して、「ガツガツ強気に提案する押しの営業」でトップセールスになれる理由を紹介します。
なぜ「ガツガツ強気に提案する営業」でトップセールスになれるのか? (写真はイメージです/PIXTA)

トップセールスは絶対に「押しの営業」である

営業には、「押しの営業」と「引きの営業」という二つのスタイルがあります。

 

押しの営業というのは、営業マンがお客様に対して自信を持ってガツガツ強気に商品を提案するスタイルです。これは「押し売り」とは違って、お客様が必要でないものを無理やり買わせることではありません。

 

一方、引きの営業とは、一見ガツガツいってなさそうに見せて、うまーくお客様を契約に誘導するというスタイルです。

 

昨今、引きの営業が正義だ、押しの営業=お客様を削って自分のことしか考えてない悪、みたいな風潮が蔓延しています。

 

しょうもないセミナーだとかしょうもない営業の本でも、「お客様と営業マンが話す割合は、お客様9割、営業マン1割。これが優秀な営業マンの特徴だ」みたいなことが言われていますが、結論、これは全部大ウソです。

 

お客様が9割話して契約になるって、言ってみればそれもうイリュージョンよりイリュージョン。百歩譲って、それで契約になるということは、レンジでチンしたらもう出来上がりみたいな冷凍食品と同じ。それ、営業マンがいなくてもたぶんお客様は契約してます。

 

では、なぜ今、引きの営業正義マンがこれだけ大量発生しているのか。二つの理由があります。

「引きの営業マン」が多くなるワケ

まず一つ目が「押しの営業は教えられない」ということ。

 

実際問題、営業を教わろうとする営業マンも、すぐ具体的なやり方とかノウハウに飛びつきます。私も野村証券時代に、優秀な上司に「こういう場合、どうすればいいですか。お客様に何て言えばいいですか?」とよく聞いていました。

 

ですが、私がどういう質問をしても、その上司は絶対に、

 

「正面から自分の思いを熱くお客様に伝えるだけだ。その気持ちをぶつけるだけだ」

 

としか答えない。

 

何を聞いても絶対コレしか言わないんですね。ですが、今になって思えば、実は本質を突いた大事な教えだと思うんです。

 

何が言いたいかというと「押しの営業というのは、ポテンシャルだ」ということです。野球でたとえれば、体が大きくてホームランをかっ飛ばせるとか、生まれつき速い球を投げられるだとか、そういうポテンシャルの話なんです。

 

もし私が会社の社長で、新卒で営業マンを採用するとなったら、絶対的にこの押しのポテンシャルを重要視します。実際、押しの営業ができる営業マンってそれほど多くないんです。希少価値が高いんですね。

 

なので、押しの営業を教えられる人間がそもそもいないし、ポテンシャルの話なので、その結果、引きの営業正義マンが大量発生するというわけです。