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会社の偉い人や大物社長相手に物怖じしなくなる方法
人間、様々なビビる場面に出くわすことがありますが、「人に対してビビる」という状況があると思います。
たとえば、会社の偉い人や大物社長のお客様といった、自分の実力よりも数十倍、数百倍上のすごい人に会った時、どうやって平常心で対応するのがいいか。
私も新入社員時代や、年次が若い頃には対人でビビる経験が何度もありました。そういった、すごい人を前にすると、頭が真っ白になって「ありがとうございます」と「すいません」を連呼するしかありませんでした。
これは尊敬ではなく、必要以上に下手になったり、媚びてしまっている格好です。どうすれば人に対して物怖じしないようになれるか、その考え方を説明していきます。
資産100億の経営者であっても、人間である
まず一つは「どんなにすごい人も人間である」ということ。
野村証券に入社する前は学生だったので、私にとって1万円は大金でした。でも、野村証券の営業フロアでは何百万、何千万で株を売った買ったと、とんでもない金額がバンバン飛び交っていて、入社した当時はまずその規模にビビりました。
そのフロアでは、50歳くらいの営業課長が威厳マックスでバキバキに活躍していて、早稲田大学の野球部で言うと、4年が1年のことなんか全く気にせず、レベルの違うプレイをしているような感覚でした。とてもじゃないけれど、雑魚新人の私が話しかけられるレベルではないと、その上司にもビビっていました。
入社からしばらくして、7月に会社でソフトボール大会があった時のことです。
他社と対決することになったのですが、私は大学で野球部に入っていて、引退からまだ数ヵ月、証券マンといえどもほぼ野球選手、みたいな状態です。「自分の土俵が来たな」とワクワクしていたのですが、そこで衝撃的な光景を目の当たりにしたのです。
ソフトボール大会の当日、いつも威厳マックスの営業課長が、どうやったらそんな着方ができるの?ってぐらいダサいユニフォーム姿でやってきました。
会社では高そうなスーツをピシッと着て、眉間にしわを寄せながら、怖かっこいいオーラを前面に出してバキバキに仕事をしている営業のボスの情けない姿。その姿を見て、私は面白がるような気持ちでもなく、なんだか膝カックンされた。みたいな感覚になりました。
要するに、会社ではバキバキオーラで、話しかけられないような雰囲気で仕事をしている人も、一歩外に出れば普通のパンピーのダサいおじさんだということに気づいてしまったんですね。
試合前の準備運動で、走ったり、キャッチボールをする動きもなんだか、尻尾を切られて暴れてるトカゲみたいだなと。
でも、現実はそんなもの。どれだけ会社ですごいと言われていたり、資産100億の経営者であっても、人間であることには変わりないんですね。
肩書きや資産、あるいはビジネス戦闘力があるということで、どうしても目の前にいる人間を神格化しがちだけど、それは自分が勝手に思っちゃっているだけのこと。どれだけすごい人も人間であるということを知れば、物怖じなんてしなくなります。
自分の価値はそれ以上でも以下でもない
二つ目が「自分の立場を確認する」ということ。
たとえば、私がスーパースターの松本人志と2人で対談したとします。こうなると、もちろん生き様からビジネス感から何もかも勝てるものがない。自分よりも数百倍すごい相手に対して、きっと物怖じするでしょう。
こういう局面に直面した時は、今まで生きてきた自分の過去や、やってきたことを一つ一つ確認していくのです。
私であれば、社会人になって証券営業を4年、保険営業を3年やって、計7年間、一人一人のお客様を相手にドブ板営業を繰り返してきたこと。これが、今の私の立場であり、価値であると。
そういったことを確認しないまま、自分の何百倍もすごい松本人志と対峙してしまうと、「そもそも何か話せることあんのかな?」とか「上手いこと笑いで返せんのかな」とフワッとなってしまい、間違いなく物怖じしてクラッシュしてしまいます。
そうではなく、自分のやってきたことはこれだと。7年間ドブ板営業をやってきたことが私の価値であり、これ以上でも以下でもない。
私のやることは、そのノウハウや経験を話すことだけだと確認することで、相手が松本人志だからって「お笑いに関して何か言わないといけないのではないか」とか「生き様についてどうこう」といった変な方向に思考が回らなくなり、自分のできること、やるべきことがすっきりと整理できるのです。
自分よりとんでもなくレベルが上の人に会った時は、まず自分のすべきこと、できることを確認して、それ以上でも、それ以下でもないという認識を自分自身で再確認することが大切。
そこをクリアにしておけば、物怖じすることはなくなるでしょう。
宋 世羅
元野村證券YouTuber