家で介護するのは無理なのに、退院通告が!
→仕方ないので自宅に連れて帰る
〇 自分の人生を大事にできる人
→転院先を探す
●無理なのに連れて帰る?
入院期間は短いことが一般的です。長期に入院すると、病院が受け取る診療報酬が少なくなる仕組みになっているためです。そこで親が入院したら、スグに「退院」後の生活について考え始めましょう。退院時に、身の回りのことができなければ、介護の必要があるからです。
例えば同居の場合、若い世代は日中仕事で出払うのであれば、それでも問題ないのか。
別居で、高齢の親が2人暮らしの場合は、もう一方の親に世話をできるのか。独居の場合は、世話する人はいないけれども、どうするのか…。じっくり考えずに、言われるままに自宅に戻すことは家族、そして当事者である親も「自滅」に向かう一歩となりかねません。
●転院のほか施設の一時利用も
退院後の選択肢は大きく分けて3つあります。
まず1つ目は転院。高齢者に多い脳血管性の病気や大腿骨の骨折などの場合は、リハビリテーションを行う「回復期リハビリテーション病棟」というところに転院できる可能性があります。医師や相談室で確認しましょう。対象外であっても、別の病院で受け入れてくれることもあり、それについても「相談室」で聞いてみるといいでしょう。
2つ目に、一時的に「施設」に入居するという方法があります。「介護老人保健施設」が代表的な候補です。入院していた高齢者が、治療は終了したけれどもまだ日常生活に戻ることが難しい場合に3ヵ月ほどを目途に入居してリハビリを行います。この施設に入るためには、介護保険の認定を取る必要があります。
その他、有料老人ホームなどでも、一時的な利用を受け入れているところがあります。一時的利用ではなく、親と話し合ったうえで、退院と同時に施設入居(終身目的)を決断するケースもみられます。
3つ目の選択肢は、自宅に連れて帰り、介護サービスを受けつつ療養するという方法です。これに関しても、介護保険のサービスを利用することになるので「申請」が不可欠です。通院が難しいなら介護サービスだけでなく、訪問してくれる医師または看護師を探すことも重要です。分からないことは、病院の相談室や地域包括支援センターで聞きましょう。
太田 差惠子
介護・暮らしジャーナリスト
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