介護サービスの活用、費用を理由にあきらめないで
→仕事を辞めて自分で介護
〇 自分の人生を大事にできる人
→サービスは減らさない
●ガマンや忍耐はないか?
介護にかかわるさまざまなサービスを利用するほど、お金がかかることになります。
「どんどんお金がかかるから、サービスの利用を控えている」という人がいます。確かにサービスの利用を少なくすれば、出費は少なくて済むでしょう。介護保険のサービスでも、1〜3割は自己負担です。自治体が行うサービスも、たいていは無料ではなくお金がかかります。
それが高じていき、「サービスを使うのはもったいない」という発想になっていく人がいます。しばしば聞くのは、「子供の手が離れたので、パートをしようと思っていたが、それはやめて介護に専念」という選択。親や夫が、娘や妻に強いているケースもあるようです。
お金を生む道を閉ざす代わりに、出ていく金額を減らす……、ある意味、合理的な方法なのかもしれませんが、そこに誰かの「我慢」や「忍耐」という意識が働いているとしたら、大きなストレスを抱えることになります。
●「家族の労力=0円」ではない
働きたいのであれば、働く。親のお金が足りないのであれば、さまざまな軽減制度について調べる。場合によっては、稼ぎの一部をまわしてでも、サービスを利用するのが建設的な方法ではないでしょうか。
親が「お金がない」と言う際にも、実はしっかり蓄えはあるのだけれど「出したくない」とか、「子供への甘え」から言っている場合もあります。現状、親のお金がどれくらいあるか分からないから、子も不安になり、お金を出すくらいならと、労力を提供するケースもみられます。しかし、当然ながら、家族の労力は0円というわけではありません。その分、外で働けば、お金を生みます。年間収入100万円のパートでも、10年働くと1000万円になります。将来の自分の老後資金となるかもしれません。
自分の人生を大事にできる人は、仕事を辞めて介護に専念することは、できるだけ避けます。
それに、離職して介護に専念すると、逃げ場がなくなり、社会から取り残された感覚に襲われることがあります。結果、経済的な部分だけでなく、精神的にも肉体的にも負担が高くなるという調査結果もあります。
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