寿命が長い塗料を選ぶほど、工事費用の節約に
少し詳しく見ていきます。各塗料の単価と耐用年数を見てみましょう。
単価は、アクリル塗料が最も安く、光触媒塗料が最も高価です。
単価を基準に選ぶと、アクリル塗料やウレタン塗料が魅力的に見えるかもしれません。しかし、重要なのは耐用年数も踏まえて考えることです。例えば、アクリル塗料が1平方メートルあたり1400円で、5年もったとします。1年あたりで計算すると280円くらいです。
一方、フッ素塗料は1平方メートルあたりの単価で見るとアクリル塗料の2倍以上ですが、最長で20年もつこともあります。仮に1平方メートルあたり4000円で20年もつとしたら、1年あたり200円ですから、アクリル塗料とあまり変わりません。
ウレタン塗料が1平方メートルあたり1700円で、7年後に塗り替えになるなら、1年あたりで計算するとフッ素塗料のほうが安くなります。
このことからも分かるように、高ければ良いというわけではありませんが、高い塗料は寿命が長く、高い理由があります。
また、塗料の寿命が短ければ、それだけ外壁塗装の回数も増えます。例えば、フッ素塗料の耐用年数は15〜18年ですので、家の寿命として40年くらいを目安に考えると、外壁塗装の回数は2回で済みます。
一方、アクリル塗料やウレタン塗料は、塗装工事が4、5回、またはそれ以上の回数になるでしょう。
人気のシリコン塗料も、耐用年数が12年だったとして、3、4回の外壁塗装が必要になります。
分かりやすくいえば、寿命が長い塗料を選ぶほど、数回分の工事費用を節約できるということです。
次の塗り替え時期までの間に家の建て替えなどを検討している場合は別ですが、一般的には、塗装の費用は外壁と屋根も併せると40坪あたりで100万円ほどかかりますので、長い目でメンテナンス費用を考えるのは大事なことです。
塗料に期待できる機能はさまざま…環境を考慮して選択
塗料の機能は、例えば、遮熱・断熱、防水、防汚などで、塗料によって期待できる効果が異なりますので、住んでいる地域の気温や湿度、周辺環境などを考慮して、必要な機能や欲しい機能を選んでいきましょう。
例えば、今の家が、夏になると暑過ぎ、冬になると寒過ぎるのであれば、遮熱効果や断熱効果がある塗料を選ぶのがお勧めです。
湿気が多くコケが生えやすかったり、大通りに面していて排気ガスの汚れが付くようであれば、雨水で汚れを流し落とす親水性に優れた塗料を検討してみるとよいでしょう。
耐久性重視で考えるなら、フッ素塗料や無機塗料を検討してみるとよいかもしれません。
無機塗料は、フッ素塗料より単価が高くなりますが、低汚性・親水性と耐久性が高いため、メンテナンスの手間と費用を抑えることができます。耐久性という点では2021年時点でトップレベルです。
塗料は家を覆いますので、塗料の機能が高ければ、家の機能も上がります。暮らしやすさも高まります。
その例として、機能性重視でよく使われているガイナという塗料を紹介します。
ガイナは、遮熱性と断熱性に優れた塗料です。遮熱効果をアピールする塗料はほかにも数多くありますが、現場経験を通じて、遮熱・断熱の効果をはっきりと実感できたのはガイナだけです。また、臭いと汚れにも強く、空港の喫煙ルームの内部にも塗装されています。
久保 信也
株式会社リペイント匠 代表取締役
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