(※画像はイメージです/PIXTA)

38歳のM男さんは1人っ子で独身、70代前半の両親と3人暮らし。両親は自宅兼店舗で自営業を営んでいますが、そろそろ年齢的にも店じまいをしたいと思っています。しかし、M男さんが両親の家計を確認すると驚きの事実が…。年金や社会保障の問題解決に取り組んできた、FPで社会保険労務士の井戸美枝氏が解説します。※本記事は『残念な介護 楽になる介護』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。

 

 固定費で見直せる項目…自動車関連費、通信費、保険料 

 

〈自動車関連費〉

 

公共交通機関が身近にある都市部であれば、毎日車を使わなくても生活は成り立ちます。車を手放して、カーシェアリングサービスやレンタカーを使うことを検討してみましょう。車両代、駐車場代、ガソリン代などの維持費、自動車保険、車検代、毎年かかる自動車税といった経費が必要なくなれば、かなりのコストカットができます。

 

ただし、大都市圏でも郊外や地方では、公共交通機関に頼れず、病院やスーパーに通うのに車がないと不便という人もいます。「新車がほしい」と思う気持ちはあるでしょうが、軽自動車や中古車への切り換えを検討するようにして、車関連の出費をできる限り軽減しましょう。

 

〈通信費〉

 

子どもの分も含めて1人1台の所有が必須になったスマホ。「4人家族、スマホ代は4万円」といった家庭も多かったと思います。子どもたちが独立すれば、スマホ代は夫婦だけの分の負担ですみます。インターネットでの検索や動画視聴などをしないのであれば、維持費の安い格安スマホへの乗り換えも効果的です。また、使っていない有料サービスは解約しましょう。

 

スマホを持っていれば、固定電話やFAXは必要ないかもしれません。振り込め詐欺防止のためにも、使用頻度の少ない固定電話は解約するのもいいでしょう。

 

〈保険料〉

 

払いすぎている保険料も支出カットのポイントです。一家の稼ぎ手である夫が亡くなったときは遺族年金(178ページ参照)を受け取ることができます。すでに子どもが独立していれば、高額な死亡保障は必要ないでしょう。また、今は金利が低いため「保険で貯蓄」をしてはいけません。

 

 変動費…食費、水道光熱費、日用品など 

 

〈食費〉

 

変動費の中で大きな割合を占めるのが食費です。ただし、量や質は落としたくありません。食費カットのポイントは、できるだけムダなものを買わないこと。買っても冷蔵庫の中で腐らせてしまい使い切ることができない食材、調味料などです。冷蔵庫の中をチェックして、必要なものだけを買うようにすればかなり削減できます。

 

〈水道光熱費〉

 

水道光熱費は、季節によって増減する変動費です。しかし、一度見直せば確実に効果が得られるのは電気代のプランです。総務省の家計調査によると、高齢夫婦無職世帯の水道・光熱費の月平均は1万9983円。そのうち電気代は水道光熱費の約半分を占めていると言われています。契約アンペアの見直しや、アンペアをそのままに契約会社を変えてみましょう。ガスと電力のセット割もあります。各社のホームページで、料金のシミユレーションができる場合があります。

 

〈日用品など〉

 

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため自粛が始まったころから、トイレットペーパーやシャンプー・リンス、ボディーソープなどの買いだめが日本各地で起こりました。「中国での生産がストップする」といったデマが流れたためです。

 

一度買いだめをする習慣が身につくと、やめられなくなります。ストックしておかないと不安になるため、つい買ってしまうのです。日用品をはじめマスク、除菌剤など、ドラッグストアで山積みになって安い値段がついていると、つい手が伸びてしまいます。紙に書くなど在庫管理をして、買いすぎに歯止めをかけましょう。

 

また、交通費やレジャーにはシニア割などを使い、少しでも安くするように心がけましょう。

 

M男さんの両親の支出を見直した結果、以前はお店のお得意様のところに行くために車が欠かせなかったのですが、商売をたたむ際に手放す決意をし、しばらくは自転車を使うようにしました。また、食事は、母が仕事で忙しかったのでつい出前やスーパーの中食を買っていましたが、なるべく手料理を作ることにしました。もちろん、台所に父も立つ約束をしたので、母にはそれほどストレスがかかりません。夫婦で過ごす時間が増えるので、お互い協力しながら家事を分担するとうまくいきます。

 

 

井戸 美枝

井戸美枝事務所 代表

ファイナンシャルプランナー

社会保険労務士

産業カウンセラー

 

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