ファイナンシャルプランナーオフィスのLive to Relief(ライヴトゥリリーフ)株式会社代表取締役・笹村敏夫氏が、コミュニケーションを円滑に行うための「4つの相槌」を紹介します。
コミュニケーション上手な人がしている「4つの相槌」 (写真はイメージです/PIXTA)

<この連載の第1回記事はコチラから>

雑談時に心を掴む、魔法の話術「醍醐味トーク」とは

お客さまの関心を引けるのが、共通の趣味や特技といった話題です。現在では、SNSにより自らの情報を発信している人も多くいますから、それらをチェックすることで、あるいはお客さまの興味がどこにあるか分かるかもしれません。

 

変わったばかりの保険会社の担当から、「そういえば笹村さんは、ハンドボールをやっていらっしゃるんですよね、実は私の父も、それなりに有名なハンドボール選手だったんです」と言ってきました。

 

ハンドボールは、競技人口がまだまだ少ないこともあり、互いの知り合いを辿ればだいたいどこかでつながっています。その時も「ああ! Aさんの娘さんですか」と話が盛り上がり、瞬時に打ち解けて今までお付き合いした担当者と同様に仕事を進めていくことができました。

 

そのように、相手に対するリサーチがしっかりできると、お客さまの興味関心のある話題を提供することができるわけですが、世の中の誰もが、自分の趣味や特技をSNSで発信しているわけではありません。

 

SNS自体は行っていたとしても、公開範囲を「友人のみ」に絞っていることもよくあります。必ずしも事前に相手のことが分かるわけではなく、そんな場合は実際の会話を通じて、情報を集める必要があります。

 

ただ、雑談のなかでせっかくお客さまが「実は最近、〇にはまっていて……」とチャンスをくれても、自分がそのことについて知らなければ、返しに困ると思います。

 

無理に知ったかぶりをして無知が発覚したならお客さまの不興を買い、「すみません、よく知らなくて……」と答えても、相手をがっかりさせてしまいます。

 

そんなときに使いたいのが、「醍醐味トーク」です。例えば、お客さまが「最近、ゴルフにはまっていて、ほとんど毎週コースを周っているんだ」と、話を振ってくれたとします。しかし、自分にはゴルフの知識も経験もない……。そんな際には、次のように返してみてください。

 

「そうなんですか、ぜひ聞かせてほしいのですが、Aさんにとって、ゴルフの醍醐味ってなんですか」

 

キーワードは、物事の本当のおもしろさを意味する「醍醐味」です。自分の好きなことや得意なことが、いかに興味深いかを話すというのは、楽しいもの。多くの人は、聞き手の共感を得ようと一生懸命話してくれます。

 

醍醐味を聞いたあとに、その醍醐味に魅力を感じ心が動かされたなら「是非、私も連れて行ってください!」と言ってみてください。もっと相手は喜ぶはずです(魅力を感じなかったり、心が動かされなかったら、決してそれをやってはいけません〈笑〉)。

 

先ほど紹介した「4つの相槌」を交えつつ、しっかりとその思いを受け止められたなら、お客さまはきっと会話に満足し、気分がよくなるはずです。

 

「醍醐味は、なんですか」この一言は、お客さまとのコミュニケーションを深めてくれる魔法の言葉なのです。

 

 

笹村 敏夫

Live to Relief株式会社

代表取締役

 

<この連載の第1回記事はコチラから>