日常生活はふつうに送れていたのに、突然…
●父の介護が突然、始まった
「相沢さんは運が良かったですよ。担当になったケアマネが吉岡さんで」
ケアマネジャーという存在に関心をもったのは、福祉用具レンタルサービス会社社員の井口さんから聞いた、このひと言がきっかけでした。
私は父親の介護をしました。
要支援1の認定は受けていたものの、日常生活はふつうに送れていた父が突然へたりこみ、起き上がれなくなったのが2013年の暮れ。パニックになりながらも父を布団に寝かせ、要支援の認定のときにお世話になった地域包括支援センターの担当者の名刺を探し出して電話。すぐに駆けつけてくれたのが、女性ケアマネの吉岡さんでした。
吉岡さんは、直前に起きた出来事を私から聞いて状況を察し、要介護認定の手続きなど私がやるべきことを簡潔に説明してくれました。そして、父の状態をチェックし、「要介護3の認定は下りると思うので、それに沿ってケアプランをつくります」といって帰りました。
その翌日、介護用ベッドを搬入しに来たのが井口さんです。また、吉岡さんも再訪し、父に必要と思われる介護サービスを提案し、私の事情を聞いたうえでサービス提供者のスケジュールを決めていきました。訪問看護、訪問入浴、訪問介護などです。
そこから介護生活が始まりました。長期戦になるという覚悟はありましたが、思いがけず父の衰えは急激で、2か月半ほどで旅立ってしまいました。とはいえ、その2か月半は嵐のような日々でした。
とにかく初めてのことばかり。その場その場で必要になる用品を買いに行ったり、介護サービスの人たちにケアの方法を聞いたり。やらなければならないことがたくさんあるうえに、私自身の仕事もある。ほとんど睡眠がとれない時期もありました。
さらに、寝たきりになるまでは頭もクリアで、問題なく意思の疎通ができていた父に認知症の症状が出るようになり、その対応に我を失って逆上することもありました。短い介護生活でしたが、介護にまつわるひと通りの苦労は体験したと思います。