「感覚性失語のある認知症」の特徴
一方、感覚性失語のある認知症の人の話は、言葉としてはつながっているものの、内容がよく分かりません。「言語明瞭、意味不明」といわれることが多く、話が長いところが運動性失語と異なります。
さらに「言い間違え」(錯語)が多く、「めがね」を「目覚まし時計」などと言ったりします。字を書いてもらっても、誤字や誤表現を書くことが多くて理解しにくいこともあります。脳をMRIで検査しますと、左側頭葉の上・後方が萎縮し、そこの血流も低下しています。
失語はアルツハイマー病、血管性認知症など多くの認知症の人で現れますが、とくに失語が目立つのが前頭葉とか側頭葉が萎縮するために起こる前頭側頭型認知症です。
前頭側頭型認知症の代表「ピック病」の特徴
前頭側頭型認知症の代表はピック病で、失語以外の言葉の障害も現れます。同じことを何度も繰り返す「常同行動・保続」という行動がピック病の特徴です。
「今日は何月何日ですか?」と尋ねると、「今日は4月1日です」と答えます。次に、「ここはどこですか?」と尋ねると、やはり「今日は4月1日」と答え、同伴の娘さんを指して「この人はだれですか?」と尋ねると「4月1日」と答えたりします。
常同行動・保続は言葉だけでなく動作にもみられ、手で膝をいつまでも叩き続けたりします。ピック病の人は「オウム返し」もよくします。「今日は何日ですか」と尋ねると「今日は何日ですか」という答えが返ってきます。これに腹を立てても、その人には不可解なだけです。
認知症の症状「失行」が現れると…
運動機能の障害はなく、手足を動かせるのに、まとまった動作や行為ができないことをいいます。たとえば、挨拶の諸動作ができないとか、箸などの道具が使えない、図形がうまく書けないといった不都合が生じます。そのため、日常生活が上手くできず、家族もどうしてかといぶかることが多くなります。
考えてみると、ヒトは日常的に複雑な動作をヤスヤスとやっています。これらの動作を当たり前のことと意識もしないで、毎日を過ごしているのです。
ところが病気になってみると、込み入った動きをいかに繰り返していたかを思い知らされます。たとえば、道具を使わない動作がうまくできない:眼をつぶったり/つぶっていた眼を開ける、口を開けたり/閉じたりする、舌を出したり/引っ込めたりすることができない、などです。
少し複雑な動作になると、口笛を吹いたり、起立したり、歩くことができないということもあります。これを肢節運動失行と呼びますが、手の指を次々に曲げたり伸ばしたりができないのを手指失行といいます。
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